〈連続テレビ小説「ひよっこ」〉(NHK総合ほか)
 こんな朝ドラ待っていた!農村のさわやかさ、家族の温かさ...オープニングが楽しみな朝に

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   久々に爽やかな朝が戻ってきた。3日スタートした新朝ドラ「ひよっこ」の初回を見てとりあえずホッ。舞台は茨城県北西部の山あいの小さな奥茨城村。有村架純演じるヒロイン谷田部みね子は農家の娘ということで、農家の朝の風景からスタート。青い空に緑の田畑も目に鮮やか。前回の「べっぴんさん」は室内ばかりで、青空はとんとご無沙汰だったので、なんとも気持ち良いこと!

   ニワトリが産んだ卵をみつけて、「5個も産んだよ~」と、畑で作業するじいちゃん(古谷一行)に報告するみね子。お弁当に持って行っていいか? とお母ちゃん(木村佳乃)におねだり。そこを妹と弟に目ざとく見つけられ、"お姉ちゃんだけ、ずるいずるい"と文句を言われると、お母ちゃんが「あんたたちは給食でしょ」と一喝。

   さらに、朝食の場面では、ひと切れ余った玉子焼きを姉弟で奪い合い、みね子が弟たちに譲り、それを仲良く半分こする二人。そんな優しいお姉ちゃんに「お母ちゃんのぶん、あげるよ」と自分の玉子焼きをみね子の皿に入れる母。1964年当時はこんなに卵が貴重だったのか、あるいはみね子の家が貧しいのか。卵一つだけで、こんなにも話が広がることに感動する。買ったばかりの炊飯器は、ごはんが炊き上がるとスイッチがパチッと上がり、それを見て、喜ぶ母娘。

   この日はほかにも、運動靴の話があった。東京に出稼ぎに行ってるお父ちゃん(沢村一樹)に買って貰った弟の運動靴が破けてしまい、泣き出す弟たち。それをみね子が修理しようとするが、結局、余計に破れてしまうというもので、その3人のやりとりをこっそり陰で見守る母。最後のカットに繕われた運動靴が一瞬映る。おそらく母親が夜の間に繕ったのかと想像がつく。微笑ましいエピソードで余韻を残し、初回が終了した。

   前作「べっぴんさん」のおかげで3割増しよく見えるというのを差し引いたとしても、この朝ドラは期待できる。こういう朝ドラを待っていたんだ、という感じ。

行間にドラマ見える岡田惠和の脚本

   脚本の岡田惠和は「ちゅらさん」「おひさま」と朝ドラを書いて本作が3本目。何気ないやりとり、台詞だけでなく、行間の中にドラマが見え隠れする。従来の朝ドラのパターンを取り入れつつ、新しさもある。これぞ、匠の技だ。

   ナレーションには増田明美。それも、いきなり「増田明美です」なんてやるからびっくり。マラソン中継で、選手についての余計な情報を澱みなく語る増田。その癒しボイスに白羽の矢が立ったということか。

   さらに、桑田佳祐による主題歌「若い広場」もどこか懐かしさがあり、ドラマの世界観にぴったり。そして、タイトルバックのミニチュアたちも可愛い。毎朝、このオープニングが見られるかと思うと楽しみだ。

   つかみはOK! 有村架純も田舎娘がよく似合う。前回のドラマで、脚本がいかに大事かというのが身に沁みた。ベテラン脚本家の腕を信じるとしよう。

(月~土 あさ8時~)

くろうさぎ

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