ディーン・フジオカ「ニュース番組」キャスター!?慣れぬしゃべりでつまずく心配・・・

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   朝、東京・早稲田のオフィスに来て、お湯を沸かし、コーヒーを入れる。その日の気分によって苦みの強いハワイのコナコーヒーか、手っ取り早いペーパードリッパーのブルーマウンテンにするか、ちょっぴり迷うのも楽しい。ブラックコーヒーを入れたカップを横において、さっき買った週刊誌を読み始める。これに貰い物の和菓子でもあればいうことはない。さらに、これで原稿を書かないでいいのなら、この時間は私にとって至福である。

   東京の桜はこのところの寒さで少し遅れているようだが、今晩31日(2017年3月)は恒例の「花見の会」を江戸川橋公園で催す。酒や肴を買って、公園へ少し早め着き、スマホで「長屋の花見」を聞くのが楽しい。「長屋の花見」は柳家小さんに限る。沢庵のこうことお茶けで花を見て騒ごうという発想が江戸っ子らしくていい。

   前置きはこれくらいにして本題に入ろう。ディーン・フジオカという俳優がいる。NHKの朝ドラ「あさが来た」でブレイクし、4月から始まるテレビ朝日系のニュース番組「サタデーステーション」にレギュラー出演することが決まった。謎に包まれた経歴で、ニュース番組の顔になる男を週刊文春が追いかけたとなると、何やら昨年のショーンKの二の舞かと思って読み始めたが、期待(?)は裏切られた。

   彼の本名は藤岡竜雄で、メーカー勤務の父親とピアノ教師の母親のもと、4人兄弟の長男として福島県で生まれている。生粋の日本人である。一時は芸能界へ入るチャンスがあったが、IT分野に興味を持ち、英語を磨くためにアメリカへわたる。シアトルのコミュニティカレッジに通うとき、学校から紹介されたホストファミリーが彼に付けた愛称が「ディーン」だったそうだ。

   彼が次に選んだのは香港だった。モデルや香港映画にも出たが、日本の芸能関係者に「これからは北京語の時代だ」といわれ、台湾へ行く。台湾ではドラマにも出たが、さほど華々しい活躍をしたわけではない。その後、台北で知り合ったインドネシアの恋人が住む地に移り、結婚。彼は今もジャカルタを生活の拠点にしているそうだ。この彼女の父親はインドネシアで指折りの大富豪だというから、彼の運がついてきたのは、この結婚からということができる。

   というわけで、有名になりたいという野心を抱いてあちこちを回った青年がスターの座をつかんだのは、生まれ育った日本だったというのはやや皮肉ではある。テレビ局が彼のどんなところを見て抜擢したのかは、私にはわからない。珍しいもの好きだけで起用されたとすれば、ディーンにとって気の毒な気もする。テレビでしゃべったひと言で俳優としてのキャリアをダメにしたケースはこれまで多くある。まずはお手並み拝見といくか。

トクホよりやっぱり「日々の摂生」海外では摂り過ぎに警鐘

   先週に続いて週刊新潮が「トクホの大嘘」をやっている。今週やり玉に挙がっているのは、「体脂肪が気になる方」へと謳っている缶コーヒー「ヘルシアコーヒー」(花王)。クロロゲン酸に体重減量効果があるというのだが、効果は「ほんの少し」でしかないとニベもない。

   また同じ花王の「ヘルシア緑茶」はカテキン成分が多く含まれているから、これも体脂肪が気になる人にいいのではといわれるが、欧州ではカテキンが原因とみられる肝機能障害の報告が多数あり、07年にはカナダでヘルシア緑茶と同量のサプリを半年間摂り続けた女性がこん睡状態になり、肝臓移植が行われたケースがあるという。

   要は、緑茶が危険というわけではなく、特定の成分を濃縮し高濃度で摂取することにリスクがあるというのだ。しかし、アサヒ飲料が出している「カルピス乳酸アミールS」には、医薬品よりも強力な降圧作用があると専門家も認めているという。

   だが、これも大規模な臨床実験をやった海外の研究者の中には、有意義な効果は認められないと結論付けている者もいるそうだ。したがって、これを飲み続けていればいいと考えて、医者にかかり適切な医療を受ける機会を逸して、重篤になってしまうこともあるから、気を付けたほうがいいというのだが、当然であろう。

   善玉菌を増やし、腸内フローラの改善につながると謳う「フラクトオリゴ糖」(日本オリゴ)は、被験者わずか7人しかいないのだそうだ。どんなに脂肪分の多い食事をしても大丈夫だと謳う「黒烏龍茶」(サントリー食品インターナショナル)だが、やはり「粉飾決算」の疑いありだとしている。

   こうしたトクホの飲み物がすべてインチキというわけではないだろうが、謳い文句を信じて大量に飲むより、日々の食事や酒の量などの大量摂取に気をつけることのほうが大事だという、当たり前すぎる結論が出たということである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

姉妹サイト