東京都議会はきのう30日(2017年3月)に閉会した。自民党は小池百合子知事に「一刻も早く卸売市場の豊洲移転を決めろ」とせっつき、都議選の選挙公約にも「移転を入れる」という。
ここで司会の夏目三久が世論調査の結果を見せた。豊洲に「移転すべき」36.6%、「すべきでない」22.5%、「どちらとも」40.9%だ。小池知事が移転を決めても、築地改修を決めてもかなりの反発が起こる。自民党はそこを狙っているのだ。
これに対して小池知事は、豊洲だけが都議選の争点ではなく、「これまでの都政を続けるのか、新しくするのか。これを選ぶことになるのではないか」と語っている。断罪されるべきは、既得権にしがみつく自民党のボス政治というわけだ。
最大与党・公明党も「移転容認」
夏目「ここで注目したいのは都議会公明党の動きです。自民党との連立を解消して、小池知事の都民ファーストとの選挙協力にまで踏み込んでいます。豊洲移転では、自民の『推進』に対して、『容認』という立場です」
龍崎孝(流通経済大教授)「3月に入って築地の過去の汚染が明らかになったりして、築地も必ずしも安心ではないとなってきました。こういうものを敏感に受け止めて、公明は『容認』を打ち出しているんです」
小池知事としても、築地改修は巨額な費用がかかり、安全・安心を都民に納得させる形で豊洲移転を決断せざるを得ない。公明党はそれを読んで「容認」としているのだろう。
都議選争点化狙う自民党は肩透かし
夏目「自民党は小池知事を『決められない知事』と批判してますが、決断できるんでしょうか」
龍崎「近づいてきていますね。4月には専門家会議の報告書などが出揃います。7月には都議選。その前の6月定例議会で、移転容認の公明党の後押しで一つの答えを出すというのが自然の流れではないでしょうか」
夏目「一つの答え?」
龍崎「小池さんも『豊洲に行かない』と言っているわけではありません。移転に向けての環境整備が進んでいるのではないかと思います」
小池知事が豊洲移転の結論を出したら、都議選の争点ではくなってしまう。自民党は肩透かしを食らって、いよいよ戦いにくい都議選になるというわけだ。