「パリ協定」からの脱退も検討
二酸化炭素の排出量を減らす国際的な枠組み「パリ協定」(196の国と地域が参加)からの脱退も検討していると言う。二酸化炭素の排出量で中国(28.2%)に次ぐ第2位の米国(16.0%)が離脱したらどうなるのか。オバマ前大統領は、2025年までに26%~28%減らすと決め、排出規制の「クリーン・パワー・プラン」を作ったが、トランプ氏はこの撤廃も示唆している。
「パリ協定」についてすら、トランプ氏はツイッターで「地球温暖化の概念は、アメリカの製造業との競争に勝つために、中国人によってつくられたものだ」と書いていた。ホワイトハウスのHPでも、「(温暖化対策は)有害で不必要な政策」と決めつけ、「撤廃すれば、労働者の賃金は7年間で300億ドル以上アップする」と書いている。
有馬純・東大教授は、米がパリ協定から離脱した場合、「外交ステータスに影響があるんじゃないか」という。また、相対的に中国の存在感が高まると見る。
中国国内の大気汚染は、解決しなければ政権の安定性にも関わる。パリ協定に残って頑張る姿勢を示すことで、国際的に責任ある大国を演出できる」と。
司会の夏目三久「国際社会も反発しそうですね」
竹内薫(サイエンス作家)「ありえない判断というか、地球に対する裏切り行為だと思う。世界の科学者たちは、このままだと地球は100年後には暮らせなくなるぞと警告を発している。100年後に、地球がダメになって、アメリカだけ残る? 何の意味があるのか。考え直して欲しい」
いや、アメリカだけ残ることはないだろう。それより、学校の級長気分でホワイトハウスを動かしているこの男を、何とかするのが先だろう。