トランプ米大統領が昨日28日(2017年3月、日本時間の今朝29日午前3時すぎ)、新たな大統領令に署名した。地球温暖化対策でオバマ政権がとってきた規制を撤廃し、国内経済を優先させるという内容。20年以上にわたって世界各国が知恵を絞ってきた努力をくずかごに放り込むような。各国も開いた口がふさがらないだろう。
署名をカメラに示すポーズはすっかりおなじみ。トランプ大統領は、「この大統領令で、アメリカ産エネルギーに対する制限を撤廃し、政府の介入を撤回し、雇用を奪う規制を取り消す、歴史的な一歩を踏み出す」と胸を張った。
「地球温暖化なんぞ嘘っぱち」と公言
もともと「地球温暖化なんぞ嘘っぱち」と公言していたトランプ氏。この大統領令は、オバマ氏の地球温暖化対策は、国産エネルギーの活用と雇用を抑えていたとして撤廃。アメリカファーストの「経済成長」と「雇用促進」をもたらすという内容だ。スパイサー報道官も、「エネルギーや電気を安くて信頼を保つものにするでしょう」といった。
そりゃあそうだろう。環境汚染を無視すれば、コストは安くなる。しかし、やがて健康を損ねた国民の医療費や異常気象による災害などの形で跳ね返ってくるだろう。長い目で見れば、経済そのものの足も引っ張るはずだが、そういう発想はこの政権にはない。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト