栃木県那須町のスキー場できのう27日(2017年3月)、雪崩が起き、山岳訓練中の県立大田原高校の生徒ら8人が死亡、40人が負傷した。積もった雪が先週の暖かさで解けかかったところへ一転、おととい26日夜からきのう朝にかけての寒さで凍りつき、その上に新しい雪が降り積もっていた。表面の雪が一気に崩れる「表層雪崩」だ。
現場は標高1300メートルにある那須温泉ファミリースキー場のゲレンデに近い斜面。気象予報士の松並健治によると、おととい深夜から雨が雪に変わり、ゲレンデできのう午前2時に3センチだった雪が7時には28センチ、9時には33センチに達した。「これが雪崩の原因。非常に滑りやすい状態に一気に雪がかぶっていた」という。大竹真リポーターがゲレンデの新雪を掘ると、その下は古い雪がガチガチに凍っていた。
50年以上続いてきた「春山安全登山講習会」
この訓練「春山安全登山講習会」は50年以上の歴史があり、これまで事故は一度もなかった。今年は県内7校から62人が参加、2泊3日最終日のきのうは登山の予定を変更し、生徒40人と教師8人が積雪をかき分けながら歩くラッセルの訓練中だった。雪崩注意報が出ていた。
スポーツ庁は高校生以下の冬山訓練を行わないように呼びかけているが、栃木県高校体育連盟は「春山の安全訓練は必要」と考えたという。日本山岳ガイド協会の磯野剛太理事長は「講習会そのものは有意義で、充実した訓練にしようとしたのだろう。現場の教師がどういう判断をしたかを検証する必要がある」と話す。
司会の加藤浩次「なぜ事故が起きたかを確認して、つぎに進むということですね」