どっちが嘘つきかはっきりしてる「森友学園疑惑」安倍政権の蟻の一穴になるか

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   森友学園の籠池泰典の国会証人喚問は籠池の独壇場だったが、それ以前に週刊文春の電話インタビューを受け、そこでも安倍首相の昭恵夫人からの100万円寄付について詳しく語っているので、要約してみよう。

   2015年の9月5日、昭恵が3度目の塚本幼稚園訪問をし講演した。講演の前に園長室で2人だけになったとき、彼女が封筒を差し出した。「まずいただいて、『これは何でしょうか』とうかがいましたら、『一人で(小学校建設を)させてすいません』と。『これはいただいていいんですか』とお尋ねしますと、『どうぞ、安倍晋三からです』というふうにおっしゃいましたね」(籠池)

   その際、昭恵に講演の謝礼として10万円を菓子袋と一緒に渡し、彼女も受け取った。だが、昭恵が車で出た後に電話をよこして「寄付金は匿名にしてほしい」といわれたという。

   さらに、安倍首相が2月28日に国会答弁で、「妻は講演料も受け取っていない」と発言した直後に、籠池の妻に「本当に記憶から飛んでしまって」という謝り(?)メールを送ってきていることも明らかにした。籠池は喚問で、昭恵とのメールもこれから全部公開するといっていたから、昭恵のウソもばれるはずだ。

   証人喚問では昭恵の関与を示す物証が出てきた。彼女の秘書役として経産省から派遣されている谷という女性からのFAXがあり、そこにはいろいろ各方面に聞いてみたが、お役に立てなくて申し訳ない。そのことは昭恵にも伝えてあるという文面だ。彼は松井一郎への怒りも隠さなかった。安倍や松井の意を受けた議員たちは何度も籠池を「偽証だ」と脅しているが、嘘をついているのは間違いなく安倍首相や妻の昭恵、稲田防衛相、松井知事側のようだ。

   千丈の堤も蟻の一穴から崩壊する。それも低レベルの安倍のお友達たちの不祥事から一強政権が崩れるかもしれない。今こそ週刊誌の力を見せる時だ。

カッコよかったあの慎太郎が・・・涙が出た「百条委員会証言」の老残

   石原慎太郎が百条委員会に出て都議たちの質問に答えている姿を見て、「老残」という思いを強くした。「覚えていない」「浜渦に一任していた」など、責任逃れの発言に終始したが、あのカッコよかった慎太郎があのようになるとはと涙が出た。

   彼は昔の彼ならず。それに、石原を問い詰めるはずの都議たちの質問の切っ先の鈍さ。石原でなくとも、お前たちはオレに何を聞きたいのかといいたくもなる。メディアは何ら解明につながらなかったと書いているが、浜渦や石原を呼んで、何と自白したら拍手喝采したのか。

   週刊文春で林真理子が連載コラム「夜ふけのなわとび」で石原のことをこう書いていた。<「池に落ちた犬を叩く」という言葉があるが、今の石原さんを見ているとその言葉を思い出す。池に落ちた老犬という感じ。叩くんだったら、石原さんが現役でハツラツとしていた時にすべきだったのではないだろうか>

   小池は豊洲のベンゼンのことをあげつらうが、築地の汚さ、不衛生さと比較したデータを即刻出すべきだ。汚さを競い合っていても仕方あるまい。どうしたら東京都民の食卓に載るものを安全・安心に提供できるのか。もう時間はない。

『トクホ』効かないばかりか危ない!?EUでは「子どもに摂取させるな」

   安全といえば、週刊新潮がCMで喧伝されているトクホ(特定保健用食品)には「大嘘」のものが多いという特集を組んでいる。トクホとして販売するには製品ごとに有効性や安全性について審査を受け、表示について消費者庁の許可を得る必要がある。3月20日(2017年)時点でトクホは1168品目あるという。販売されていないものもあるから、現在販売・準備中のトクホは454品目。2015年度の市場規模は6391億円もあるそうだ。

   まずは、脂肪の吸収抑制・排出増加を謳っている「からだすこやか茶W」「キリンメッツコーラ」などに入っている難消化性デキストリン(以下、難デキ)は「効き目ゼロだった」というのである。これはトクホ全体の3分の1を占める「魔法の成分」といわれるそうで、難デキは水溶性の食物繊維で、デンプンを加工処理した物質だという。国が許可した難デキの効用は20年ほどの間、整腸効果や血糖値だけだった。そこに2011年に「脂肪」の文字が加わる。そのために脂肪の多い食事を摂りがちな人や中性脂肪が気になる人の食生活改善になると爆発的な売れ筋になる。

   だが、筑波大学の鈴木正成名誉教授らが2010年に、日常的な食事を摂った場合に難デキ6グラムが含有された茶飲料、グァバ葉茶ポリフェノールが70ミリグラム以上含有された茶飲料、普通の水出し煎茶と、それと合わせてダンベル体操をやった後の食後血糖値上昇抑制効果を調べた結果、どの茶も血糖値の上昇を抑制したものはなく、有意差が出たのはダンベル体操だけだったという。

   さらに、千葉大学の山本敬一名誉教授によると、このトクホの根拠論文がいずれも松谷化学工業という会社の研究者が作成した論文に依拠しているそうで、ここは難デキの国内シェア8割を誇る会社だというのである。山本名誉教授はその論文で難デキを摂取すれば脂肪が排便として多く排出されるとしているが、「そこに表れた1・2%の差は生物学の世界では誤差の範囲。このことから難デキには脂肪を抑制する効果はない」というのである。

   10億本を突破したお化け商品「伊右衛門 特茶」は、謳い文句とは逆に体脂肪率も体重も増加するという。サントリー食品インターナショナルのHPにあるグラフがミスリードしていて、首を傾げざるを得ないと高橋久仁子群馬大学名誉教授が話している。特茶の主な論拠論文を当たったところ、特茶を飲み続けると体重が減らないばかりではなく、体重も脂肪率も増えていたというのである。これなら飲まないほうがいい。

   トクホの許可は消費者庁の管轄で、その有効性や安全性の評価は「消費者委員会新開発食品調査部会」で審議される。しかし、特茶が関与成分としているのは「ケルセチン配糖体」だが、審議を担当する専門家ですら解釈に困る代物だったというのである。そのためメーカーには再度の説明が求められ、結局、お腹回り、ウエストサイズ、肥満という文言が削除されてしまったそうだ。

   リカルデントというガムに添加されている人工甘味料は、「90年代後半には、米国の複数の研究者が脳腫瘍を引き起こす可能性を指摘」(科学ジャーナリストの渡辺雄二)しているという。

   生きたまま腸に届くという「ヤクルトAce」も意味がないとニベもない。「この手の乳酸菌飲料でなくても健康は維持されますし、特定の乳酸菌でないとダメということもない。無理して高価なトクホを買うよりも、バーゲンセールで買ったヨーグルトを選べば十分ですよ」(秋津医院の秋津壽男院長)

   日本ケロッグの「オールブラン オリジナル」も、「その人数(被験者=筆者中)もたった11人ですから、どんな量を何日間摂取したらどのような効用があるのか、納得できる証明になっていない」(唐木英明東京大学名誉教授)

   日清オイリーの「ヘルシーコレステ」に入っている植物コレステロールには思わぬ副作用が発覚したという。ドイツやEU全域でこれを使った加工食品には「血中コレステロール値が普通の人や子供は摂取するな」という警告表示が義務付けられたそうである。

   週刊新潮がいうように、「聞こえのいい効果ばかりが喧伝され、そこに潜むリスクが周知されているとは言い難い」のだ。週刊新潮はこの問題を引き続き追いかけるそうだから、要注目である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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