韓国の朴槿恵・前大統領(65)がきのう21日(2017年3月)、検察に出頭、事情聴取を受けた。収賄や機密漏洩など容疑13件をすべて全面否認した。韓国内は騒然とし、朴氏が自宅を出るところからテレビはもう生中継だ。
午前9時15分、ソウルの自宅を出る朴氏は、紺のコート、髪をセットし、穏やかな表情を浮かべていた。大統領を罷免されて家に戻った12日以来、報道陣の前に姿を見せたのは初めて。警察が周囲を固め、SPのガードもつくものものしい雰囲気の中を車で6キロ離れた中央検察庁に向かった。
メディア各社の車やバイクが追走し、「あ、左に曲がりました」「警察の規制でバイクも車間距離をとりました」とアナウンサーが実況中継する。まるでカーチェイス。信号はすべて青で、10分後には検察庁の玄関についた。ここで朴氏は「国民の皆さまに申し訳ない。誠実に捜査に臨みます」と述べた。
サムスン財閥から43億円拠出させた収賄の疑い
容疑のうち最も重いのは収賄で、1億ウオン(約1000万円)以上なら無期か10年以上の懲役。朴氏はサムスン財閥から43億円を拠出させた疑いというからケタ違いだ。検察の聴取は10階で検察官2人が質問200を用意して行い、休憩をふくめて14時間かかった。朴氏は昼食用にノリ巻きやサンドイッチを持参し、夕食にはお粥が出たという。聴取終了後も庁舎内にとどまり、22日朝に自宅に戻った。
司会の加藤浩次「聴取の内容がわからないから、何を食べたとかの報道になった」
コリア・レポートの辺真一編集長は「逮捕の可能性はある。これまでなら身柄拘束されるが、朴氏に任命された検察総長が温情でしなかったのか」と話し、検察は早ければ今月中にも起訴するかどうかの決着をつけると見る。
宮崎哲弥(評論家)「世論の大勢は断罪に向かっている。はやり言葉でいえばそれを忖度して検察は起訴するのではないかな」