ブラジルの一部食肉業者が、賞味期限切れなど衛生基準に満たない製品を国内外に販売していたのを、警察が摘発した。ブラジル国内は大騒動になっている。輸出先のEU(欧州連合)や中国、日本にも衝撃が走った。日本の輸入鶏肉の8割近くはブラジル産。衛生的に問題があった業者から日本への輸出実績はないというが、厚労省は昨夜(2017年3月21日)、摘発された21社からの輸入を一時停止とした。
検査官が賄賂受け取っていた
ブラジルの連邦警察が2年がかりで捜査した結果だという。警察の発表によると、賞味期限のごまかしのほか、サルモネラ菌汚染の肉、腐敗臭を消すために発がん性の化学薬品を使った例まであるという。欧州向けのコンテナからサルモネラ菌が検出されたともいう。
警察は21の会社の工場などを捜査して17日、経営者や賄賂を受け取っていた検査官ら38人を逮捕した。検査のため、スーパーなどの店頭から牛肉、鶏肉などが回収される映像が流され、消費者は「牛肉が怖い」「もうしばらく買わない」などという。
ブラジルは世界第2位の食肉輸出国。テメル大統領は、「調べを受けていたのは、4837か所のうち、たったの21社です」と火消しに躍起だ。各国大使を招いて、名物のシュラスコ料理を振る舞うなどの演出もした。しかし、中国、EU、チリは輸入を禁止した。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト