待機児童の解消が急務と言われる中で、わずか一握りのご飯にスプーン一杯の2種類おかずしか園児に提供していなかった悪質なこども園が物議をかもしている。
兵庫県と姫路市による抜き打ちの特別監査で粗雑でずさんな実態が発覚したのは、姫路市にある私立認定子ども園『わんずまざー保育園』(小畑育子園長)。
「いつもお腹をすかして帰ってきた」と保護者
姫路市が撮影した皿に盛り付けられた給食の中身を見ると、育ち盛りの園児にわずかなご飯にスプーン(大)一杯分の2種類のおかずというお粗末さ。子どもを通わせていた保護者は「あれ(写真)を見たら絶句しました。子供に謝ってほしい」「今考えるといつもお腹をすかして帰ってきた」と悔しがる。
園児の栄養よりも保育園の利益しか念頭になかったのだろう。小畑園長は「残飯が出ることがもったいないと思い給食の量を減らすように指示していた」と説明している。しかも特別監査の担当者によると、「残したご飯は冷蔵・冷凍保存し、後日解凍して出していた」という。
68人園児に40人分の給食
そのカラクリはこうだ。同保育園は定員46人に対し保護者と直接、私的契約を結び22人多い68人を受け入れていた。小畑園長は「困っている保護者の要望に応えるためだった」と言い訳をしているが、68人の園児に対し40人分程の給食しか用意せずコストを削減していた。
さらに園児46人の定員には13人の保育士が必要なのに10人しか勤務実績がなかった。また県や市にウソの出席簿を提出したり、監査日には園児22人を休ませたりして帳尻を合わせる隠ぺい工作まで行っていた。兵庫県は今月(2017年3月)中に、認定を取り消す方針だ。
司会の小倉智昭は「待機児童を減らすためというのかもわかりませんが、この食事の内容じゃ酷いよ」。呼応して1男1女の母、梅津弥英子アナが「保育士の人数が足りないのによく事故が起きなかったと思う」と呆れていた。