私的契約し水増し入園させた22人園児、定期監査の日は通園させず! 隠ぺい工作していた「認定こども園長」

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   兵庫・姫路市の「認定こども園」でとんでもない保育の実態が明らかになった。定員をはるかに超える人数を受け入れながら、給食を少なく注文。結果、2歳児の食事はスプーン一杯分......これ、抜き打ちの監査でわかった。定期の監査の時は、定員超過の子どもは休ませていたんだと。いやはや。

   2歳児の給食のおかずは、カレースプーン一杯分にも満たず、おやつは、スナック菓子が6本......姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」の実態が、先月(2017年2月)23日兵庫県と姫路市が行った抜き打ち監査で明るみに出た。

   認定こども園は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ、0歳児から5歳児までを受け入れる施設。姫路市によると、「わんずまざー保育園」は、定員46人のところを、市には隠して直接保護者と契約した22人を勝手に受け入れていた。私的契約では、保育料が月額1人2万円~4万円だった。

   先月2日に行った定期監査の時は、私的契約の園児22人は全員休ませていたという。完全な隠蔽工作だ。

冷凍保存した古い給食使いまわし

   食事は質、量ともに不足だった。約70人の園児に、給食は40食ほどしか用意せず、ご飯、おかず、汁物を一つのお椀に盛ったり、冷凍保存した古い給食を使いまわしたりしていた。一人分の魚を6等分したり、副菜は箸ひとつまみ、おやつもえびせんなら6本、小さいせんべいは3枚......。理由は「残飯が出るのがもったいない」

体重増えないと保護者

   実態を知った保護者は、「(給食の)量を写真で見たら、情けなくて」「後悔しかない。わかっていたら絶対に入れなかった」「夕方、変にお腹すかせていた」「(帰ってきたら)ずっとお菓子とかを食べてたり」「体重がなかなか増えない。1歳半から10kg台で、悔しいやら情けないやら」と、口々に言う。

   監査では、寒い時期なのに暖房を止めていたこともわかった。市によると、朝保護者が来る1、2時間くらいをだけ暖房していた。定期監査で、室温が低いことを聞かれた園長は、「空気を入れ替えたところ」と言っていたという。

   保育士の働く環境も劣悪だった。「休憩が取れない。それほど仕事に追われていた」「人手が足りない時に子どもが怪我をした」という。書類上は保育士は13人と成っていたが、3人は勤務実態はなく、水増しだった。

   「30数人の子どもを連れて、教諭が一人で道路を歩いています」「何かあっても守れない」と知らされた保護者は、「誰も死ななかったのが不思議」という。

ヒトラーみたいな園長

   こうした実態に園長は、「困っている保護者を助けたかった。定員超過がばれると預かれなくなると思った」と言っている。保育士は「子どもが多いので時間内に終わらないが、時間外はつかない。園長には物を言うのが難しい」。「ヒトラーみたいだと言ってた」という保護者もいた。

   同園は、運営費として年間5000万円の公費を受け取っていた。県は認定取り消しとする方針で、全国初となる。姫路市は刑事告訴も検討している。

   司会の夏目三久「保護者が、わかっていたら絶対入れなかったと言っている」

   牧嶋博子(TBS解説委員)「事故が起きなくてよかったなと思いますね。保育の質の再確認をすべきです。今、待機児童対策で保育園の量が優先されている。おかしいなと思ったら行政に連絡をして。行政も監査をしてほしい」

   実態を最もよく知っていた保育士たちは、声をあげなかった。事故が起こらなくてよかったと、いちばん思ってるのも彼女たち?

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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