統制のタガはずれた防衛省!「破棄した」はずのPKO日報見つかり、稲田防衛相は苦境に

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   南スーダンのPKOに派遣されている陸上自衛隊の「日報」があった。防衛省が「破棄した」と言い続けていたものだ。意図的な隠蔽も大問題だが、稲田防衛相が知っていたかどうかも、大臣の資質に関わる。稲田氏はすでに、大阪の森友学園問題でも野党から辞任を求められている。まさに崖っぷち。

   この「日報」は、スーダン派遣部隊の実情を知りたいと、野党が提出を求めていたが、防衛相は一貫して「破棄した」と突っぱねていた。それが実は、統合幕僚監部で見つかり、さらに陸自にも残っていたことがわかったのだ。

「戦闘」の文字並ぶ日報

   明らかになった「日報」には、「戦闘が生起したことから」「市内での突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要」など「戦闘」の文字が並ぶ。もし「戦闘状態」が常態化していれば、自衛隊派遣の前提条件が崩れる。ために隠蔽を図ったと、勘ぐられても仕方がない。

データ消された恐れも

   現にそうであったらしい。内部の証言から、「日報」が見つかった後、「今更あったとは言えない」と、統合幕僚監部の背広組からの指摘で、「破棄」で突っぱね続けたということのようだ。一部の証言では、「その後データは消された」ともいう。これが本当なら、クビになってもおかしくない重大な背任行為だ。

   河野克俊・統合幕僚長も「隠蔽は組織にとって致命的というのが私の認識です」と言っている。

   しかし、「あさチャン」の追求はそちらではなく、稲田大臣に向かった。

   国会では、「防衛省全体をコントロールできない大臣に、この国の安全保障を任せるわけにはいかない」(民進・今井雅人氏)と追及された。これに稲田氏は「直轄の防衛監察本部で徹底的に調査した上で、改めるべき隠蔽体質、秘密保全も含めて、改善していきたい」と答えた。

与党からも「もうもたない」

   党内からも「彼女を守ろうという人がいない。内閣全体に影響する」「完全に内部から出てきている話だから、防衛省内の統制が効かなくなっているということだろう」「もうもたないかもしれない」などの声が聞かれるという。

   稲田氏は、PKO視察のために、昨年8月15日の靖国神社参拝と全国戦没者追悼式を欠席したことで、野党から激しく責められたことがある。

   夏目三久「どこに問題があるんですか?」

   龍崎孝は「大臣は、特別防衛監察を行って、ことを明らかにすると言っている。トップには検事を務めた人がいるから、独立性が保たれるはず。問題は、幹部が隠蔽工作を指示していたのを、大臣が知っていたかどうか」という。

   知っていれば虚偽答弁だし、知らなかったら、部下を統率できていなかったことになる。「自衛隊という組織を考えれば、どちらにしても大臣の資質が問われる」と。

   大臣なんて誰がなっても一緒。もともと資質がある人なんていない。それよりも、今回たまたま明るみに出たことを、プラスに活かす方が重要ではないか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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