大阪の「森友学園」問題が急展開した。昨日(2017年3月16日)現地を視察した参院予算委の代表に、籠池泰典・学園理事長が、「安倍総理から100万円寄付を受けた」といい、「すべて国会でお話しします」と宣言したからだ。籠池氏の捨て身の反撃とも取れる。与野党は一転、23日衆参両院での証人喚問で合意した。
小学校建設現場を参院予算委の視察団が訪れた際、籠池理事長は、わざわざ記者たちがいる柵に近づいて、マイクに聞こえるように「学園は皆さん方のご意思あってこそ。そのご意思の中には誠に恐縮ですが、安倍内閣総理大臣の寄付金が入っておりますことを伝達します」言った。
さらに視察後、記者団に近づいて、寄付は100万円で、昭恵夫人が2015年9月、幼稚園で講演した際手渡された。建設寄付金としたなどと話した。当時昭恵夫人は同校の名誉校長だった。
さらに籠池氏は、野党4党の代表と自宅で話し合った後、記者団に向かって、「すべては国会でお話しします」と言った。これで一気に話が進んだ。籠池氏の参考人招致を拒んでいた自民党が、火の粉を払う羽目になったからだ。
菅義偉官房長官は会見して、籠池氏の主張を真っ向から否定した。安倍首相は寄付をしたことはない。夫人、事務所、第三者を通じても、ないと。安倍首相も、「官房長官の会見通り」と記者団に声をかけた。
ウソをつけば偽証罪に
一方、籠池氏が「国会で話す」といったことで、野党は「拒む理由はない」、自民は「疑念を晴らす必要」に迫られた。夜になって自民・民進の国対委員長が、参考人ではなく証人喚問での受け入れで合意した。証人だと、ウソをつけば偽証罪に問われる。
自民の竹下亘氏は「総理に対する侮辱ですから」、民進の山井和則氏は「どちらかがウソをついている。23日に明らかにしたい」という。しかし今回は、籠池氏が自民を追い込んだ形だ。
視察に参加した民進党の今井雅人氏は、籠池氏との話し合いについて、「達観されたような感じ。信じていた人にハシゴを外されて悔しい、みたいな」と言った。やはりそのあたりか。さて、ウソをついているのはどちらか。
小学校はしゃれた内装
「あさチャン」のカメラが、小学校の中に入った。外観はほとんどできているが、内装はまだ。しかし、文科省から補助の対象になったという、木をふんだんに使った作りはなかなかしゃれている。参院の視察団は、職員室で説明を聞いたという。部屋の中央には机などが梱包のまま積み上げられていた。
1階には、名誉校長室。安倍夫人が入る予定だったのか。エレベーターで3階に上がると、広いガラス窓の理事長室があった。施工業者は、「あともう少しで、どうなるかわからない。潰すとなったら、ちょっと悲しい」といっていた。
しかし、多分そうなるだろう。その負債はすべて籠池氏にのしかかる。氏が開き直ったのはそのためだろうか。
司会の夏目三久「籠池氏の口から安倍総理の名前が出てびっくりしました」
龍崎孝(流通経済大学教授)「重大な発言です。与党はこれまで、民間人を軽々に参考人で呼ぶべきでないとしていたが、その与党が証人喚問にした。安倍政権にとっての重大局面だということ。もし、寄付をしていたのなら大問題だし、虚偽なら総理の名誉を傷つける」
藤森祥平アナ「2月の国会で、総理は、もし関係していたのなら、総理も国会議員も辞めると言っている」
思わぬ展開に、「ええしのボン」は対応できるだろうか。