都議会公明党が、7月の都議選で自民との連携を断ち、小池与党である「都民ファーストの会」との連携に踏み切った。自民都連には衝撃だ。「1人区は絶望的」という声もある。一方小池氏は、自民党員のまま政治塾の活動を活発化させているが、うかつに切れば都議選で逆風になりかねない。永田町も落ち着かない。
都議会公明党と都民ファーストの会が昨日(2017年3月13日)会見して、7月の都議選で選挙協力すると発表した。公明の中嶋義雄議員団長は、わざわざ「自民との選挙協力はございません」といった。
会見の後、挨拶に訪れた両党代表に小池知事は、「目標は都民ファーストの都政の確立です」とにこやかに話し、握手を交わした。
「都民ファースト」と公明、相互に推薦
この連携は、都民ファーストの会は、公明党の候補者23人を推薦する、公明党は候補者を出さないすべての選挙区で都民ファーストの会の候補者を推薦する、という内容だ。
自民都連の下村博文会長は、「都民ファーストの方に行ってしまうというのは厳しいこと」と、今後の対応を協議した。公明は昨年12月に、自民との連携を解消していたが、選挙協力が切れるのは自民には痛手だ。
自民、1人区はほぼ絶望的
ある自民党都議は、「脅威ですね。1人区はほぼ絶望的。2人区がどうなるか。公明党とのやり取りをどうするか考えていくのではないか」という。「公明も形の上では都民ファーストに協力すると言っているが、支部としては選挙区ごとに個別に対応していくと言っているということです」
「都政と国政は別」と公明党
公明党はこれを、「あくまで都政レベル、国政とは別」としている。国政での自公連立には影響しないと。ただ、小池氏は今月中にも「国政についての勉強会」を立ち上げるとも言われ、都民ファーストの会や小池政治塾の塾生から参加者を選抜するという。
これが次の国政選挙へ繋がるのか。「都民ファーストの勢いがあるうちに国会議員を作りたいのだろう」などと憶測を呼んでいる。さらには「小池新党から総理を目指す?」などなど。
しかし自民党の二階俊博幹事長は、「反党行為だと騒ぎ立てるものではない」とした上で、「目に余ることが続けば、動かないといけないが、都連ともよく相談して」と、一応けん制した。
司会の夏目三久「国政研究会を立ち上げると言いますが、国政進出は?」
龍崎孝(流通経済大学教授)は「まだ、都政の改革も始まったばかりですからね。国政に注力するのは早すぎるのでは? ロードマップがあっての話ではないと思う。むしろ、自民党との駆け引き」という。
まだまだ吹いている小池旋風。これを読み切るのも政治家の力量だ。