国有地の払い下げ疑惑の学校法人「森友学園」問題が、おかしな展開になってきた。稲田朋美・防衛相が、学園の「顧問弁護士」として訴訟に加わっていた可能性が出てきた。先には安倍首相の昭恵夫人の名も出た。有力議員をバックに、行政に付け入る新しい手法?――キーワードは「忖度(そんたく)」らしい。
昨日(2017年3月13日)の参院予算委で、小川敏夫氏(民進)が、森友学園と稲田氏との関係をただした。この件で稲田氏は「顧問をしたことはない」「10年あったことはない」と再三否定していた。ところが昨日の朝、ネットに学園理事長だった籠池泰典氏の映像が載った。12日に撮影されたというインタビューだ。
この中で籠池氏は、「衆院議員になる前に、ご主人と稲田先生とあと一人二人、私の顧問弁護士だった」「2年ほど前にお会いしてますよ。業界筋の会合で、自民党会館だったか、(稲田氏は)時の政調会長だった」と言っていた。
この点を問われた稲田氏は、「共同で事務所をしているので、委任状が共同になっていることはあるかもしれない。が、私は籠池氏、森友の裁判も相談も受けたことはない」と突っぱねた。
しかし、小川氏は、「平成17年10月11日」の日付で、森友学園が起こした訴訟に「訴訟代理人弁護士稲田朋美」と記載されている裁判資料を示して、「答弁と違う」と追及した。これに稲田氏は、「12年前ですよ。私が国会議員になったのが、平成17年8月です。(籠池氏が)顧問やってもらったというのは虚偽です」と真っ向から否定。小川氏は、この食い違いをついて、改めて籠池氏の参考人招致を求めた。
この件では、毎日新聞も、森友学園が大阪地裁に起こした淀川区の土地と建物の抵当権抹消登記請求訴訟で、訴状の「原告訴訟代理人」に、稲田氏と夫の龍示氏ら計3人の名があり、第一回口頭弁論調書には、12月9日の初弁論に「出頭した当事者等」の中に稲田氏の名前があった、と伝えている。すでに国会議員だった稲田氏が?
岡山・「加計学園」についても質疑
この日は安倍首相も問われた。森友学園から講演の依頼があって、「日程が合えば」と受けたこと、それは昭恵夫人からの話であったことを認めた。さらに、福島瑞穂氏(社民)が、岡山の学校法人「加計学園」が今治市に獣医学部を新設する上で、首相との個人関係が使われたのではないかと追及した。
が、安倍首相は「犯罪人扱いはやめてほしい。私が働きかけているのなら、責任は取る」と答え、逆に「事実でなかったら、あなた責任取れますか」と噛みついた。