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ヤマト運輸が値上げ発表

   先週も触れたが、宅配便業者の最大手、ヤマト運輸がセールスドライバー(SD)たちに長時間の残業や過酷な労働を強いていたことを認め、巨額の未払い残業代を払うことや、仕事の見直しをすることを発表した。

   ネット通販が急増し、2014年には年間取扱個数は前年の14億8000万個から16億6000万個になった。SDは過酷で実入りがよくないため離職率は4割近く、応募者は少ない。それにネット通販のお客はいないことが多く、再配達率が多い。

   ネット通販の大手アマゾンの荷物を扱うようになった13年から、仕事は増えたのに人員の補充はない。しかも細かい時間指定まである。

   お客様本位が裏目に出たヤマトは、賃金や安全対策など労働環境改善に向けた取り組みのため、荷物量の抑制や時間指定の見直しなども含め、90年に100から110円(平均8%)にして以来の値上げをすると発表した。

   そこにはアマゾンなど大口法人客への運賃割引を縮小することも盛り込まれている。ヤマトが動けば他社も追随するのは間違いない。

   そうすればネット通販側も、これまでのように短時間で無料配送するビジネスの見直しを迫られることになる。消費者もこれからは、一個の荷物を宅配してもらうにはどれだけのコストがかかるのかを意識しなくてはならなくなるが、当然であろう。

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