メディアより安倍政権が信用される訳
日本でもメディアと政権の信用度は逆転しつつある。新聞通信調査会による調査によると、新聞の信頼度は100点満点中60・6点で、民放テレビは59・1点。
しかも年々、信頼度は低下傾向にある。方や安倍政権の内閣支持率は66%と高水準が続いている(読売新聞による世論調査・2月17日~19日)のだ。
メディアより安倍政権が信用される理由を、城南信用金庫元理事長の吉原毅は、新聞記者の意識が一般大衆と著しく乖離してしまったことを挙げ、こう語る。
「新聞記者の多くは一流大学を出たエリートであり、自分たちのことをエスタブリッシュメント(支配者層)と考えているのではないでしょうか。エスタブリッシュメントというのは常に今の地位を守ることしか考えないため、臆病で勇気がない。
しかも総じて彼らは高給取りです。今の生活を失いたくないという気持ちが強くなり、冒険ができなくなってしまう。その結果、読者が離れていっているのではないか」
朝日新聞のベテラン記者もこう話す。
「なぜ、安倍政権の支持率が高いのか、これは社内でもよく議論されます。多くの記者は『朝日は伝えるべきことを報じているのに、安倍政権の支持率が高いのは理解できない。国民への啓蒙が足りていない。朝日が世の中を正しい方向へ引っ張っていかなければ』と考えています。
かつての『朝日』のイメージから抜け出せない連中で、これはむしろ若い記者に多い気がします。彼らは、朝日記者たるエリートの自分たちは、他人を批判したり糾弾したりする資格があると思い込んでいる。そんな思い上がりが読者に見透かされているのですが、それに気づいていない」
私は、新聞がもう一度読まれるようになるためには、動画の調査報道に力を入れるべきだと考える。「ボウリング・フォー・コロンバイン」「インサイド・ジョブ」「シチズンフォース スノーデンの暴露」や、未見だが今年の「O.J.: Made in America」など、アカデミー賞の長編ドキュメンタリーはどんな作り物よりも面白い。
培ってきた(とすればだが)取材力で対象に肉薄し、それを動画で流せば、テレビなどではできない「調査報道」ができるはずだ。