安倍首相のメディア操縦術
そんな折、安倍は2月27日に報道各社の官邸キャップたちを集めて、赤坂の「赤坂飯店」で急遽会合を開いたそうだ。この時期に、安倍にいわれてのこのこ出向く記者にも問題があるのはいうまでもない。
そこでは「法に触れるようなことは一切やっていない」としきりに訴えていたというが、週刊ポストによると、店の前には多くの一般人が集まっていたという。
それは『日本会議の研究』の著者である菅野完のところへ知り合いの新聞記者から通報があったため、彼がツイッターに書き込んだからだ。
大勢の市民が店の前に集まり、デジカメやスマホで出てくる連中を撮りまくっていたそうだ。安倍はいいが、記者たちの顔はネットに上がっているのだろうか。
アメリカではトランプがメディアを選別し、批判するメディアを遠ざけて問題になっているが、安倍首相のメディア操縦術も相当なものである。
安倍は政権に返り咲いて以来、13年から14年にかけて、全国紙、ブロック紙、民放キー局のトップや編集幹部と重ねた会合は、2年半で50回にもなると週刊ポストが報じている。
週刊現代によると2月7日にアメリカのエマーソン大学というところが発表した世論調査があるという。
それによると、メディアを信用できる人は39%で、トランプ政権を信用できるという人は49%にもなるそうだ。
米コロンビア大学ジャーナリズム科講師で、3世代にわたるトランプ家の歴史を描いた本を出している、グウェンダ・ブレアはこう指摘する。
「主流メディアは『事実は重要である』という考え方に慣れていますが、トランプ氏にとって重要なのは『人が聞きたいことを伝える。それは必ずしも事実ではない』ということです。
トランプ氏は選挙中から、伝統的なニュースや事実解明に力を入れるメディアの信頼性を傷つけることに注力してきました。トランプ氏は恒例のホワイトハウス記者会の夕食会を欠席しますが、それは当然です。自分を非難している主流メディアが多数出席するイベントに出る意味がないからです」