国有地の異常な安値払い下げで疑惑の渦中にある、大阪の学校法人森友学園が計画中の小学校の4月開校が危うい。松井大阪府知事が、「これだけ虚偽があると、確認作業だけでも時間がかかる。4月までの認可は難しい」といった。一方国会では、同学園と首相夫妻との結びつきをめぐって、連日激しいやりとりが続く。
この森友学園、確かに嘘が多い。敷地内のゴミの「埋め戻し」を「仮置きだ」という。寄付集めに勝手に首相の名前を使う。校舎の建設費を2倍以上に申告して補助金を多くもらった。さらには、愛知の有名中学と推薦入学の取り決めがあったと大阪府に伝えていた......。
この建設費は、国に21億円と申請して、5600万円の補助金を受けていたが、大阪府には、7億5600万円と届けていた。補助金は返還するという話。また、推薦枠で合意していると府に報告したのは、愛知の中高一貫校「海陽学園」。ところが、海陽学園が「事実無根」と否定。府が確認したところ、森友学園は「コンサルティング会社が誤って記載」といったという。
昨日の参院予算委では、民進党の蓮舫代表がこの問題に切り込んだ。
首相は「9億円の土地の地下埋設物の撤去にどうして8億円もかかるのか。正直、必ずしも腑に落ちる説明がなされていなかったのは事実です」とはいったものの、「(ゴミを)取ってないから1億3000万円、取ったら9億円。こんなこともわからないのですか」「ゴミが入っているから、ディスカウントした」と笑いながら繰り返した。
蓮舫氏は「国有財産の払い下げについて聞いている。緊張感がなさすぎる」と噛みついた。
民進党議員の質問でキレた安倍首相
また、首相の昭恵夫人の関与も追求された。民進党の福山哲郎氏は、「疑惑ばっかり。総理も昭恵夫人も、ひょっとしたら被害者なのかもしれないと思いますが」と前置きして、道義的な責任に踏み込んだ。
「大阪の財務局の立場で言えば、昭恵夫人が名誉校長をしている学校を、手続きができないからと先送りして開校を延期したら、昭恵夫人や安倍首相に恥をかかせたのかとなる。近畿財務局でも財務省でも忖度するでしょう」
これで首相が噴火した。「忖度した事実がないのにですね、まるであるかのように言う。これは典型的な印象操作なんです。福山さんは名誉を傷つけた」。議場はヤジで騒然。おさまったところで、福山氏「昭恵夫人は被害者かもしれないと申し上げた。犯罪者扱いなんかしていません。何そんなにムキになってるんですか」(爆笑)