森友学園の国有地払い下げ問題で昭恵夫人に疑惑の目が向けられていることに対し、安倍首相は「私は公人中の公人だが、妻は私人なのです」と怒って見せたが、首相夫人ははたして「私人」なのか。
森友学園の幼稚園で2014年12月6日に昭恵夫人が行った講演ではこう話していた。テーマは奇しくも「ファーストレディーとして思うこと」だ。「前々から園長から主人にお手紙や電話をいただいたり、実際にお会いいただいたりしていましたけど、この現場に主人がきて園児の様子を見たことがないということで、わたしが代わりにきて家に帰ってから主人に報告させていただきます」
役所からは夫人担当者、公費で活動
昭恵夫人が国有地の売却に直接関与したとは考えられないが、安倍夫妻と森友学園の親密な関係を周囲が利用したり、配慮した可能性は否定できない。菊川怜キャスターは「昭恵さんが名誉校長だから、勝手に周りが忖度したこともあり得るかもしれませんね」という。
コメンテーターの山本一郎(作家)「首相夫人が名前を出すことによって、皆さんがどう思うかですよ。当然、首相夫人だから配慮しよう、期待に応えようという周りの人たちの気持ちをうまく使ったことはあるんじゃないかと思います」
田崎史郎(時事通信特別解説委員)「今回のことは軽率だったですよ。公人と私人の区別をどこでするかはまだ定着した解釈はありませんが、総理夫人の役割、活動について一つの決まり事をつくった方がいいと思います」
各役所から昭恵夫人担当者が付き、外遊、国内視察などの活動はすべて公費、どこにいっても紹介されるときは「総理夫人」だ。24時間公人というべきだろう。