「あさチャン!」は東京・豊洲市場の土壌汚染対策の費用負担について、東京都と東京ガスが交わした協定書を入手した。日付は平成23年3月31日。都側のサインは当時の石原慎太郎知事だ。
協定書は東京ガス側は汚染対策の負担を78億円とし、以後は費用負担はしないことを確認する内容となっている。対して、都の負担は586億円で、これが最終的に858億円にまで膨らんだ。これは、都の元幹部が「東京ガスの負担を80億円程度とすることで石原氏が了承していた」という証言とも一致する。
再開発で急いだ築地移転
司会の夏目三久「本来、土地を売る側がすべて負担するはずの土壌汚染対策費のうち、東京ガスの負担は最後まで78億円のままだったんですね。どうしてこんな契約になったのでしょうか」
龍崎孝(流通経済大教授)「どうしても豊洲が欲しかったということでしょうね。東京ガスからすれば、安く買い叩かれると株主から追及もされるから、売りたくなかったようですね。それがこうなったのは、都の方が豊洲に移りたかったと考えるのが普通でしょう」
夏目「どうして豊洲にこだわったんでしょうか」
龍崎「まず40ヘクタールくらいが必要で、その条件にハマるのが豊洲しかなかった。そして、東京卸売市場が豊洲に行きたい、というより、築地から動かしたかった。そういう動機があったのではないですか」
夏目「築地から出たいとは、どうしてでしょうか」
龍崎「都市の再開発ですね。築地は銀座の真横にある広大な土地で、新しい都市作りをしていく上で必要だった。だから、動機が正しかったのか不純だったのかも含めて明らかにされなくてはいけませんよね」