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政官界に働きかけていた「森友学園」理事長

   さて、国有地を格安の価格で手に入れた「森友学園」の疑惑がさらに大きくなっている。

   週刊文春では、鳩山邦夫代議士(故人)の秘書だったという川田裕介(41)が、彼の息子が学園に通っていたため、籠池理事長の意向をくんで、近畿財務局へ出向いたことを明かしている。

   応対したのは、問題の土地の担当である「管財部 統括国有財産管理官」2名。すでに2人はこの問題を知っていて、「前向きに検討させてもらっている」と語り、「先方も"政治家とのパイプ"は認識されているようでした」(川田)

   さらに籠池理事長は自民党国会議員の事務所を再三訪問して、「早く結論が得られるように」「評価額を低くしてもらいたい」などと、財務省近畿財務局や国土交通省大阪航空局へ働きかけを依頼していたことが、共産党の調べで明らかになっている。

   3月1日には鴻池祥肇元防災担当相が記者会見を開き、籠池理事長が再三にわたって会いたいといってきて、夫婦で来て札束を出したので、怒って断ったと明かした。

   だが、asahi.com(3月2日)によると、鴻池事務所側が国との交渉を仲介し、籠池との接触は2年半で25回にも上ったと報じた。

   それでは安倍夫妻の「嫌疑」は晴れたのかというと、そうではなさそうである。籠池としては、安倍の妻の昭恵を名誉校長に据え、寄付金は「安倍晋三小学校」にするといって集めていた。安倍は、私は公人だが妻は私人と、妻の責任を逃れようとしたが、文芸春秋で石井妙子は、昭恵につく秘書は現在5人もいると明かし、公費でこれだけの秘書がつくようになったのは第二次安倍政権からだというが「やはり夫人といえども、公人なのだと改めて思う」(石井)と書いている。

   週刊文春も、以前の取材で昭恵が幼稚園についてこう話していたと報じている。

「お子さんたちが礼儀正しく、きちんとごあいさつができて、すごくしっかりしておられる。それで、幼稚園だけでなく小学校も作りたいのでというお話を伺って『名誉校長に』ということだったのでお受けしたのが二年前ぐらいだったと思います」

   夫婦は一心同体。このような国粋主義的教育がこの夫婦の「理想」なのであろう。

   晋三も毎晩寝る前に祝詞のようなものを唱えて祈りをささげていると、昭恵が対談などで明かしている。

   安倍は常々、学校における「道徳教育」「愛国教育」を強制しようとしてきた。天皇を中心とした神の国を取り戻す、子供たちにはオレが考えているように教えるべきだというやり方が、最近とみに露骨である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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