国有地の格安購入や契約で異様な超優遇を受けていた学校法人「森友学園」が、幼稚園の運営で保護者とカネをめぐってトラブルを起こしていた。負担を求めても従わない親や疑問をただす保護者を「ケチ」「バカ」と罵り、子どもを退園させる訴訟に発展したケースもあった。
問題の一つが卒園アルバム。年長園児の写真を中心に作られるが、森友学園では年長に達しない子の保護者にも1冊1万9800円で買うように求めたという。年少と年中の子2人を通わせていた保護者は「2人だから2冊」と購入を要求された。
押し売り断って、退園、提訴した親
この保護者が「自分の子どもがほとんど映っていないから」と断わると、複数の教員から「そんなことを言うのはあなたのところだけ。いい加減にしてください」と言われ、退園を強要された。家に電話がきて「あなたはケチだ」と言われ、子どもから「ママ、何かあったの」と心配されたこともあったという。結局、2人とも退園した。この保護者は精神的苦痛を受けたとして森友学園を相手に110万円の支払いを求めて提訴した。
森友学園は「自主退園で、強制はしていない」としている。卒園児以外の親にも買わせるのは、どういう仲間と過ごしたかを重視する教育理念でアルバムを制作したから。1人1冊にするのは「将来的に兄弟がべつべつに暮らすことが考えられるため」だそうだ。
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト