「籠池さんが夫婦で来たんだ。紙に入ったものを差し出しオバハンが『これでお願いします』。一瞬でカネと分かりましたよ。同時に『無礼者!』と言ったんだ」
森友学園(大阪市)へ国有地を破格の値段で売却した問題で、自民党参院議員の鴻池祥肇元防災相(76)=兵庫選挙区=が1日(2017年3月)夜、急きょ記者会見を行い、学園の籠池泰典理事長夫妻と2014年4月に面談した時のやり取りを明らかにした。一部で「アッキード事件」と呼ばれ始めたこの問題の本質に迫る証言だ。
実は、その3時間前に参院予算委員会で共産党の小池晃書記局長が自民党の国会議員事務所の面談記録を入手したとして、籠池理事長が自民党議員に面談し「土地の評価価格を低くしてほしい」と陳情するやり取りがあったと追及していた。
この追及を受けて鴻池議員は「森友学園の件であらぬ疑いがマスコミの皆さんにあるんではないかと思い、きちっと話をしておかねばと」急きょ会見をしたという。
「コンニャク」は100万円指す政界隠語
それによると「コンニャクであったか、かまぼこか、ういろうか知らん、確かめてへんから。それをオバハンは泣きながら出しよったで。だから『無礼者!』と言ったんだ。『男の面を銭ではたく、政治家の面を銭ではたくようなのは教育者とは違う、帰れ!』と言って突き返した」という。
コンニャクとは政界で使われる現金100万円を意味する隠語だという。その見返りとして土地の取得が絡んでいたのだろうか? 鴻池議員は「知りません。きっとそうでしょう。安くしてくれとかそんな話でしょう」と推測している。
鴻池議員が籠池理事長を知ったのは、知人を通じて学園の講演に頼まれたのがきっかけという。「その時、子どもたちの態度が素晴らしかった。教育勅語を全員で言ってね。思想的には合う」と教育方針に共鳴したと話す。しかし今回の問題で考えが変わったという。
「学校を作らせたらいかん」と鴻池議員
「今回の件では『野党頑張れ!』や、俺は学校を作らせたらいかんと思う。政治家をカネで動かそうという根性が気に食わん。あんなの教育者にしたらいかん」と語気を強め言い放った。
スタジオではコメンテーターの2人が会見の内容にこんな印象を...。
作家の橋口いくよ「いまどき小説でも描かれないシーンが現実に起き、断っている人がいたということは、どこかで誰か受け取っている人もいるのではと思わせる会見だった」
古市憲寿(東大大学院生)「どんな陳情だったか覚えていないのに、やたらおカネを突き返したやり取りだけはすごい鮮明で、記憶の取捨選択がすごく上手な人だと思った」
確かに、お金に絡んだところはかなり誇張が感じられたが、司会の小倉智昭は「鴻池さんはそこを一番言いたかったことなんでしょう。自分はシロだと」とかばった。