経産省もトランプ化? メディア締め出しで扉を施錠、外での取材は禁止

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   経済産業省が昨日(2017年2月27日)から、霞が関の本庁舎などの全部の執務室を日中も施錠し、報道陣が立ち入れないようにした。取材に応じるのは幹部のみで、広報に内容を報告。同時に庁舎外で取材に答えることも禁じた。霞が関で最も開かれていた通産省以来の伝統は消えた。

   経産省の各部屋に扉はこの日から、閉まると同時に施錠され、職員も出入りの都度、カードで開錠しないといけなくなった。本庁舎内の全室、全扉だ。一体これで、いくらかかったことか。

   無論一般の訪問者も同じ扱いになる。まず一階の受付で「手続き」(名前、訪問先、用件)の後、内線電話で相手を呼び出し、特定の部屋で会う。場合によっては、広報課の職員が立ち会う、とまるで商事会社や銀行なみになる。

   取材の場合は、対応するのは課長、室長などの幹部のみ。別室で会い、話した内容は、広報室に報告するよう求められる。庁舎外での取材には応じない、というのだから、完全な情報統制だ。出勤途中とか国会などでの、歩きながらの会話も難しくなろう。「話していた」と報告されたらまずい。萎縮させる効果はありそうだ。

開放的で談論風発の気風の官庁だった

   もともと通産省は、開けた役所だった。記者たちはどこへでも出入り自由。職員をお茶に引っ張り出すことだって、できなくはなかった。時間外となれば、新橋界隈の飲み屋も当たり前。職員もまた、財務省などに比べると開放的で、大いに意見を述べたりもした。情報が漏れても、あまり気にしなかった。

   そうした省内の気風から、今回の措置に「情報公開のため、扉を開いておくべき」(課長)、「取材にどう応じるかは、一人ひとりが責任を持って考えるべき」(職員)など、疑問の声も上がっている。

誰が情報統制を強めたか?

   が、経産省は「丁寧に取材を受けるため、省内で執務時間中に対応するのが原則」という。一旦そうなれば、そうなっていくのはお役所の習い。問題は、誰がなぜ、こんなことを決めたのか、ということ。トランプは誰だ?

   司会の夏目三久「なぜ急にこんな対応を?」

   コメンテーターの龍崎孝(流通経済大学教授)は、「機密情報が外へ漏れる、のを嫌がっているということだと思うんですが」と、「愚行」と書いたフリップを示して、「愚かな行為だと思います」

   「何のために鍵を閉めるのか、外で人と会ってはいけないのか。我々も入れないけど、職員も閉じ込めてしまう。国民の知る権利を拒むと同時に、職員を信じていないということ。あってはならないことだと思う」

   頭が柔らかくて、時に騒々しくて、憎めない秀才が集まるところだった経産省。ついに劣化が始まった、といってよさそうだ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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