金正男氏殺害事件で、実行犯として逮捕された女2人が別々の薬剤を金氏の顔で混ぜ、その動きを北朝鮮の男たちが至近距離から監視や指示をしていた。「実際にどう襲撃したのか」(司会の羽鳥慎一)という疑問解明へ、現場映像から容疑者たちの巧妙ともいえる行動が少しずつわかってきた。
映像には、クアラルンプール空港にやって来た金氏の近くを紫シャツの男が、うしろですれ違うような形で反対方向へ歩き出し、現場を見渡せる場所で立ち止まって振り返る姿があった。男の服装は北朝鮮へ逃走したリ・シェナム容疑者(57)と一致していた。
入れ替わりに黒いバッグを持つ人影が映像に現れた。こちらは女の1人アイシャ容疑者らしい。さらに、近くの柱付近にいた黒いキャップをかぶり、白いバッグを持つ男も国際手配された容疑者の1人に似ていた。包囲網が作られていたことが分かる。
アイシャ容疑者も薬剤かけていた
こうした動きについてニューヨークタイムズの報道を宇賀なつみアナが、女2人が持っていた薬剤をA、Bに分けて説明した。「アイシャ容疑者がAを金氏の顔にかけ、その後にもう1人のフォン容疑者が金氏に抱きつくようにしてBを素手で顔に塗りました。アイシャ容疑者は逃げるタクシーの車内で吐いたといいますが、これは毒薬VXの典型的な症状だそうです」
アイシャ容疑者は当初、金氏の注意を引く役だったといわれたが、そうではなく、2種の薬剤が現場で混ぜ合わされたことになる。犯人たちは監視カメラが動いていないと思い込んで決行したとの報道もあり、緻密さとずさんさが交錯する。
羽鳥「もう少し事実がわかってくるはずです」