第2段階に入った正恩独裁-偶像化の邪魔になった兄の存在
伊東敏恵キャスター「脱北者会議の動きは北朝鮮側に影響を与えたのでしょうか」
早稲田大大学院の李鍾元教授は次のこう解説した。「かなり神経質になっていたと思います。昨年あたりから高官の亡命が相次ぎ、大きな動きをつくろうということがありました。正男氏は一種の象徴的な人物で、それが結びつくことは警戒していたと思います。
正恩氏が政権の座について5年。次は『権威』をつくる必要があります。キーワードは偶像化。しかし、正男氏が第三国に亡命して一族の話をしたり、回顧録でも書いたりすれば、偶像化に大きな打撃になると見たのでしょう」
それにしても、実行犯がすぐつかまったり、大使館関係者の顔が割れたりとずいぶんとずさんな計画と手口だ。国際社会で北朝鮮への批判が強まることはわかりきっていたはずだが、あの国にとっては外交関係より金恩氏がファーストなのだろう。