「オルト・ライト」という、あらたな白人至上主義がアメリカで勢いを増している。
「オルト・ライトは『オルタナ右翼』とも呼ばれていて、もうひとつの(オルタナティブな)右翼という意味」(鎌倉千秋キャスター)
アメリカにおける人種差別や白人至上主義の歴史は古く、これまでも頭に白い三角頭巾をかぶった姿が特徴のKKK(クー・クラックス・クラン)やネオナチなどの白人至上主義グループが存在してきた。
「オルト・ライトは、どう違うのか」(鎌倉)
白人は犠牲者になっているという意識
「昔の白人至上主義は、アメリカのなかに異物が入ってきて、アメリカを汚している。だから排斥しようというものだった」「自分たちはむしろ犠牲者ではないかと言う人が出てきているのが、昔と違う」(番組ゲストで、アメリカの人種問題にくわしい渡辺靖・慶応大学教授)
こうした背景には、白人の人口比率の減少や、経済的な問題があるそうだ。アメリカの人口に占める白人比率は、1965年には84%だったのが、2015年には62%。今後も減少する見込みだという。また、アメリカの中産階級が没落、縮小するなかで、経済的に困窮する白人も増えたそうだ。
2016年のある調査によれば、アファーマティブアクションなどによって、「白人のほうが(黒人よりも?)差別を受けている」と考えるアメリカ白人は、全体の57%、白人労働者層では66%に上るという。
「統計学的に見ると、(白人のほうが)寿命が長く、所得が高い。いろんな機会に恵まれているのは白人のほうだが、1人1人は肩身が狭いと感じている」(ハーバード大学で白人至上主義を研究したというパトリック・ハーランさん=タレント)
そうした白人の若者などを惹きつけているのが、白人が虐げられていると訴え、白人の権利を主張する「オルト・ライト」の思想だという。