「不寛容」な政策を支持する米国民
こうした政策がイスラム穏健派と米国の信頼関係をゆるがし、テロとの戦いに逆効果との指摘もある。「むしろイスラム急進派の支持者を増やし、テロ拡大の機会をつくることになりかねない」と藤原教授は語る。
一方で「ほとんどの世論調査でトランプ氏が勝っちゃっています」と横江さんが言うように理念よりも安全を考える米国民がいることも確かだ。反移民の感情はヨーロッパにも広がり、イギリスでは国をあげた議論になっている。
イギリス王立国際問題研究所のトーマス・レインズ氏は「トランプ政権は予測不能。向き合い方によってはイギリスも危機に陥る可能性がある」と不安を隠さない。
鎌倉アナ「日本はどう向き合っていくのですか」
藤原教授は「トランプ政権が言う通りにはしてくれないことも覚悟しないといけない」と、関係をしっかり見越しながらつきあう必要を強調する。
バノン氏のような妖怪めいた人物をかかえる米国政権の不気味さ、不安定ぶり。ひたすら追随すればよいといった生やさしいものではすでにない。
あっちゃん
*NHKクローズアップ現代+(2017年2月20日放送「特集トランプのアメリカ ホワイトハウスの一室で ~広がる"不寛容"の深層~」)