北朝鮮の金正男氏が殺害された事件で、現地クアラルンプールで昨日(2017年2月20日)、遺体の引き取りをめぐる激しい駆け引きが繰り広げられた。また、正男氏の長男、キム・ハンソルさんもクアラルンプール入りという情報が流れ、正男氏一家を保護している中国も動き出しているらしい。
もっとも派手に動いたのは、在クアラルンプールの北朝鮮大使だった。大使館前に報道陣を集め、「マレーシアの捜査は信用できない」「遺体は金正男ではない」「遺体を引き渡せ」「この事件で一番得をするのは韓国だ」などと、文書を読み上げた。
これに対してマレーシアは、北の大使を外務省に呼んで、事件を起こしたのが北のグループであると抗議し、同時に平壌駐在大使を召還して、北への抗議の姿勢を示した。遺体の引き渡しに関してもマレーシア当局は、近親者の意向を優先するとしている。
暗殺恐れる長男
この日、一部報道が「ハンソル氏がマカオからクアラルンプールへ向かった」と伝えたために、空港や検死が行われた病院には大勢の報道陣が詰めかけだが、結局確認はされなかった。
ハンソルさんは昨年、英のオックスフォード大に合格して、9月から進学の予定だったが、暗殺の危険があるとしてマカオに戻っていたという。正男氏の一家は中国の庇護下にあるとされ、遺体引き取りに関しても、家族は中国の意向を受けて動くとみられる。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト