マレーシア警察が男4人の実行グループ特定
マレーシア警察は犯行後6日たった19日、初めて記者会見し男4人の実行グループを特定、他に犯行に関わった3人がいると発表した。
男4人は37歳~57歳の男でいずれも北朝鮮国籍。犯行直後の13日にすべて出国しており、マレーシア警察は「どこへ行ったかは明かせない」と話している。ただ、地元メディアによると、ジャカルタ→UAE・ドバイ→ロシア・ウラジオストクを経由して4日後の17日に北朝鮮・ピヨンヤンに戻ったという。
一方、逮捕された実行犯の白いTシャツの女は、ベトナム国籍のドアン・ディ・フオン容疑者(28)。黒い服の女がインドネシア国籍のシティ・アイシャ容疑者(25)。
シオン容疑者によると、「襲撃する45分前にロビー内の飲食店で男4人から液体を渡された。軟膏か乳液のような液体で、手袋に点け金正男氏の顔につけた。その後、すぐに女子トイレで手袋を外し手を洗った。液体が毒物とは知らなかった」と供述。また、アイシャ容疑者は「日本のテレビ局からいたずらを仕掛けるドッキリ番組の出演を持ち掛けられた」と話しているという。
伝えた笠井信輔アナが「あまりの手際の良さから、本当に素人なのかという見方と足早に逃げるあたりはプロの工作員とは思えないとの見方もある。しかも10人もの実行グループがいて一番重要な殺害の実行を素人に任すなんてあり得ると思いますか?」と疑問を呈した。
しかし共同通信編集委員の磐村和哉氏(元平壌支局長)は「前日同じ場所でリハーサルをやっていたと言われているから素人でもこうした動きはできると思う。素人に殺害を任すのはあり得ると思う。失敗しても暗殺グループの方にはなんの害もない。2人の女は捨て駒に使われたのが映像でよくわかる。不思議なのは、犯行で周りの人が何ら気づいていない点だ。この毒物は臭いもしていない無臭の可能性がある」という。
毒物についてマレーシア警察は「特定できていない」状態で、現地の毒物専門家は「目的に合わせ、より効果的に化学物質を混ぜて作られた可能性があり種類の特定は難しい」と見ている。