大橋巨泉さんも失敗した「在宅医療」専門知識もコミュ力もない素人医師たち

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日ごろから「かかりつけ医」を作る

   国は今後10年で在宅医をさらに30万人増やそうとしている。そのための教育システムも研修も行われているが、在宅医療の核となるのはかかりつけ医だと新田会長はいう。その地域の開業医に負担がかかっている。鹿児島市の人口5300人の地区で唯一の診療所を営む森永敏行さんは、毎月の患者500人、在宅30人を担当する。朝8時半から夕方6時まで、手の空く時間はほとんどない。在宅に向かえるのは午前と午後の診療の間のわずかな空き時間だ。

   取材の時、102歳の女性を訪ねた。しっかりした女性だったが、森永さんは家族といざという時の対応を話し合った。呼吸や意識に異常が起こったらすぐ救急車を呼ぶなどだ。息子も了解した。この女性は今月2日(2017年2月)の深夜、救急車で病院に運ばれ亡くなった。森永さんは「1人で看取りまで対応するのは限界がある」と話した。「全国でこういう医師が頑張っているんです。さらに作る必要があります」(新田会長)

   三重・四日市は在宅医療を支える開業医の負担を軽くするため、在宅に特化した診療所を作って、24時間対応が必要なガンなどの患者を引き受けた。開業医は手の空いたことで新たな在宅医療を広げている。東京ではさまざまな専門の在宅医が症例検討会を開いて互いに補い合う試みをしていた。さらに、診療アシスタントという専門スタッフを養成して、医師とは別の目、とくに生活面で患者を見るメリットが言われていた。

   昔から「いい医者に当たるのも寿命のうち」という。

クローズアップ現代+(2017年2月16日放送<家で最期を迎えたい~広がる在宅医療の陰で~>)

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