それでなくても沸騰して当然の「共謀罪」論議で、金田勝年・法務大臣の答弁がお粗末極まる。野党は今日(2017年2月14日)から衆院予算委で追及、辞任を求める構えだが、そういえば法務大臣って、物議をかもす人が多い。なんでだろ?
先週水曜日(8日)の衆院予算委では、質問に答えられず、「ちょっと、私の頭脳というんでしょうか、対応できなくて申し訳ありません」。「潔く身を引くべきと考えますがいかが......」(民進・階猛氏)
「共謀罪」法案が頭に入っていなかった?
「共謀罪」は、テロなどを計画した時点で処罰の対象にするもので、国連の国際組織犯罪防止条約に加盟するために必要だとして、2003年以来何度も法案が上程されているが、適用範囲いかんでは危険だという反対で、いずれも審議未了になっている。今国会で政府は、テロ等準備罪の構成要件を厳しくすることで、乗り切ろうと策したのだが、大臣がわかっていなかった。
9日の衆院予算委。「(具体的な犯罪例について)何か一つでも頭にあるのか」(民進・山尾志桜里氏)の問いに、「理事会で協議していただいている事項ですので......」と完全な勘違い答弁。委員長から「理事会の協議にはなっておりません」と言われ、事務方に確認する始末。
そもそもは先週月曜日(6日)、大臣名で報道陣に配られた文書だった。「法案については成案を国会に提出した後、法務委員会で議論を重ねるべき」とあって、「今は国会で質問すべきでない」と言わんばかりの内容だった。「質問封じだ」と野党が反発したため、文書を撤回して謝罪した。
が、ここから追求が始まった。「答弁できないと言ってるようなものだ」などなど、野党4党は、「金田氏が著しく資質を欠く」として辞任を求めることで一致した。
金田氏はこれが初入閣。「なぜ大臣になったと思うか」と問われ、「理解していると内心思ってはいても、申し上げるのは適切でない」と奇妙な答弁もしていた。