TOKYO MX「ニュース女子」司会・長谷川幸洋よ、東京新聞辞めたらどうか
今メディアで論争になっているTOKYO MXテレビの番組「ニュース女子」について触れておきたい。1月2日に沖縄県東村高江の米軍高江ヘリパッド建設をめぐって先鋭化している反対運動について特集した。その中で反対派を「テロリストみたい」「反対派は日当をもらっている」。また、在日コリアン3世の辛淑玉がいることに「韓国人がなぜ反対運動に参加するのか」などと報じた。当然ながら、それに市民団体などから抗議の声が上がった。
TOKYO MXはエフエム東京を筆頭に、東京新聞を発行する中日新聞や東京都が出資する東京ローカルのテレビ局で、この番組の司会は東京・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋が務めている。東京新聞は2日付朝刊一面で「事実に基づかない論評」が含まれていたとして、謝罪記事を掲載した。
長谷川は「『不始末を犯した長谷川を処分する』と世間に公表したようなものだ」と東京新聞を非難している。私も以前、長谷川と対談したことがある。彼は安倍首相と近く、東京新聞の論調とはもともと相容れない考えの人物だから、辞める気はないのかと聞いたら、親会社の中日新聞の上層部が辞めないでいいといっていると答えた。したがって今回の報道も驚かない。
ヘリパッドや普天間基地反対を訴えている人たちを貶めるような偏った取材と報道の仕方は、東京新聞を朝日新聞以上にリベラルだと支持してきた読者を裏切ることになった。東京新聞は社の論調と180度違う発言をした長谷川を処分をするべきだし、長谷川は社を辞めて自由な立場でモノをいっていく道を選ぶほうがいい。
右でも左でも言論は守られるべきだと私も思う。また、社の論調が間違っていると思うなら、ひとりでも社内から声をあげるべきである。今回の問題はそうではない。社が大事にし、読者の多くもそれを支持している考え方とまったく違う主張をするなら、社を離れてするのが報道人が最低限守らなくてはいけないマナーである。
かつて本田靖春は所属している読売新聞の紙面を正力松太郎社主が私することに異を唱え、社を辞して批判した。これが私の考える報道人のあり方である。