真実は二の次、自分が信じたい情報を発信・受信 ネット社会が作り出したトランプ大統領

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ボヤが放火、襲撃のニセ情報になり世界に拡散

   ところが、数時間後、オーストリアのサイトニュースに「シリア人がアッラーは偉大なりと叫んで教会に火をつけた」と、放火のように扱われた。2日後には移民やイスラム教に排他的なことで知られるサイト「ブライトバート」が「暴徒1000人が襲撃」と報じた。オーストリアのサイトは2万5000のシェア、ブライトバートには2万件以上の反応があり、少なくともニセ情報が世界28カ国に広がった。

   バンダーマン記者は正しい情報を伝える反論記事を書いたが、シェアなどは国内500件余にとどまったという。ニセ情報は今も引用され続ける。

鎌倉アナ「既存メディアは何ができるのでしょうか」
池上「これまでのやり方ではダメ。ニューヨークタイムスがトランプ大統領はこんなウソをついたと正面から対決し始めて3カ月、電子版の購読者が27万人増加した。見てくれる人はいる」

   情報を載せるネット企業の責任も問われるというが、こう言われて久しい。必要なのは具体的な改善策とそれを実行することだ。ネットだからウソも仕方ないといつまでも許していれば、市民社会が破壊されてしまう。

*NHKクローズアップ現代(2017年2月6日放送「フェイクニュース特集"トランプの時代" 真実はどこへ」)

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