<極上空間(BS朝日)>バラエティーや食べ物番組ですっかりおなじみの渡辺徹さんですが、劇団文学座のれっきとした正統派俳優さんで、この日は劇団の先輩の角野卓造さんを「これを食べさせたいんです」と自ら運転して案内してきました。番組はスズキの1社スポンサーなので、クルマはスズキのSUVタイプ軽自動車ハスラーというのはご愛敬ですね。
やってきたのは栃木県の佐野です。なぜ佐野なのか。そう、渡辺さんは佐野ラーメンを食べさせようと連れてきたのです。角野さんがラーメンの食べ歩きが好きだということもありますが、TBS系の名物ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」で角野さんは中華料理店「幸楽」の店主を演じているからです。
渡辺「役作りなのでしょうかね。先輩は昼飯1回につき2軒は行ってラーメンを食べるんですよ。あれには感心します」
角野「役作りというほどのことでもないんだけどね。1回行ったら2軒回らないともったいないじゃない」
1食で2軒回らないともったいないなんて、やっぱり相当なラーメン好きです。
澄んだスープに縮れ麺。なると、焼き豚、しなちく、のり・・・
2人が入ったのは昭和5年創業という老舗のラーメン店「宝来軒」です。店の外からご主人が太い孟宗竹を使って麺を打っているのが見えます。「青竹手打ち」と言うのだそうで、てこの原理を使って青竹で強く打つことでコシが出ます。
「実は、佐野ラーメンって食べたことないんだよ」という角野さんが注文したのは、お店でもっともシンプルな「ラーメン」(600円)です。お醤油の澄んだスープに縮れ麺。なると、しなちく、焼き豚、のりが載っています。白濁したスープにやたら分厚いチャーシューや煮卵といった今風のラーメンとはまったく違います。「そう、ラーメンって、こういうもんよ」と、食べる前から角野さんは感動しています。そして、最初のひと口――
「ああ、うまい。麺によくスープがからんで、本当においしい。すべてが気に入ったね。チャーシュー、麺、スープと、どのひとつもガッと主張するものがないからバランスがいいんです。幸楽のラーメンの10倍はうまいなあ。負けたね、完全に」
帰りのクルマの中でも、「好きだなあ、さっきのあの店。また来たいね、プライベートで」と余韻を楽しんでいます。佐野には200軒のラーメン屋さんがあるそうで、角野さんはこれから何回も来て、食べ歩きしそうです。(2017年2月4日よる10時59分)
涼