「米中間で緊張が高まっています。大丈夫なのか」と、司会の羽鳥慎一がマティス米国防長官やトランプ大統領側近の強硬発言と中国の反発を伝えた。
マティス長官は来日中、米国の防衛義務を定めた日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用されることを明言するとともに「われわれは中国が南シナ海でアジアの国々の信頼を裏切ったことを見てきた」とも述べた。
政治ジャーナリストの山口敬之さんは「この声を聞いているはずの中国の指導者に対する先制攻撃といっていい」と話す。
中国は猛反発。「日米安保条約は冷戦時代の産物。正当な権益を害することは許さない」と中国メディアがざわめいた。
大統領側近は近未来の米中戦争を予言
中国がもっと嫌なのは、トランプ大統領の側近からさらに強硬な発言がもれてくることだろう。バノン首席戦略官兼上級顧問は去年(2016年)3月ラジオで「われわれは5年から10年以内に中国と南シナ海で戦争するだろう」とまで語った。ナヴァロ国家通商会議委員長は「中国がわれわれの知的財産を盗んでいる」と名指しした。トランプ政権が発足してから緊張状態が続き、両国首脳は電話会談の予定もない。
元米上院補佐官(共和党)の中林美恵子氏は「トランプ大統領は自分が安全保障に詳しくないことをわかっているからマティス国防長官を尊重するでしょうが、ホワイトハウスと国防省は離れています。側近は毎日、接点があります」と、政策への影響を指摘する。
元外交官の宮家邦彦氏は「トランプ政権がロシアより中国のほうが問題と思っているのは間違いない。短期的な衝突は十分あり得る」と語る。そうなれば日本が巻き込まれると観測する研究所も米国内にある。もう空想の話ではない。