小池百合子・東京都知事と自民党東京都連のぶつかり合い、代理戦争だ、都議選の前哨戦だ、とやかましかった東京・千代田区長選が昨日(2017年2月5日)行われ、小池氏が推す現職の石川雅己氏(75)が、自民推薦の与謝野信氏(41)をぶっちぎりで破り、勝負あった。夏の都議選への動きも慌ただしくなってきた。
投票率は53.67%で、前回より11ポイントもアップ。注目の得票は石川氏16371票に対し、与謝野氏は4758票と、3.4倍という大差だった。出口調査で、石川氏が無党派層のほか、自民支持者の61.7%、公明支持者のなんと90.9%を得たのに対し、与謝野氏は自民支持の3割しかつかんでいなかった。
前回選挙と比べてみると、投票数の増が+8047票に対して、石川氏の得票が+8084票で、実質投票率の増えた分を丸々石川氏が獲った形。1週間の選挙期間中、4回も街頭に立って応援した小池効果と見ていい。ある選挙プランナーは、「これまでの選挙の常識からは信じられない。風どころか台風ですね」と言う。
千代田区は、都議会自民党のドンと言われた内田茂氏の地元。内田氏自身は次の選挙には出ないとされているが、その影響力を断てるかどうかが、「代理戦争」と言われた所以。同時に、自民党都連との戦いの行方を占うものでもあった。与謝野氏をぶっちぎった意味は大きい。
都議選には小池新党から60人擁立の見方も
小池氏も満面の笑みで、「東京大改革の第一歩になる」とした上で、都議選に言及。「一つひとつの選挙区をつぶさに見ながら、東京大改革を東京中で広げるよう努力したい」と言った。
小池氏が率いる「都民ファーストの会」はこの結果を受けて、今日(6日)にも、都議選公認候補(追加)4人を発表するという。知事選で小池氏を応援して、自民党都連が除名処分にした区議と民進党を離党した都議だという。
この風が果たして都議選にまで及ぶものかどうか。
龍崎孝(ジャーナリスト)は、「都議選というのは、国政レベルでの政党への評価でも左右される。小池さんは自民批判に出てくることも考えられる」という。
夏目三久「自民党本部も冷や冷やしている?」
この勝利で、小池新党「都民ファーストの会」は、7月の都議選(定数127)に60人を超す公認候補を立てることを検討しているという報道も出た。これまでは40人規模としていたが、定数1の7選挙区全部で候補者を立て、残り35の定数2~8の選挙区の多くで複数候補も可能と踏んだ、という。
夏目「強気ですね」
龍崎「この追い風を生かすには、都民の判断が分かれるような、例えば豊洲の問題とかを、先送りにする可能性がある。一方、都議会の過去の問題には厳しく、という手法もありうる」
豊洲にしろオリンピックにしろ、過去に厳しくとなれば、またまた小池氏に有利に働くだろう。ブームは続くか。