入国停止の大統領令、世界で反対の動き 19個目の大統領令は中止

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   米のトランプ大統領の大統領令乱発の混乱が続いている。中でも27日(2017年1月)に出した「イスラム7カ国からの90日間の入国停止」は、司法省、国務省からの反対、州司法長官の憲法違反提訴にまでなり、大統領は、執行を拒否した司法長官代理の「首を切った」。

   就任12日で18。大統領令にサインをして、カメラに向かってドヤ顔――毎日見られる光景が、日本時間の今朝(2017年2月1日)午前5時には見られなかった。予定されていた19個目の大統領令が急遽中止に。「サイバー攻撃」に関するものとも言われている。

   しかし場外の動きはだんだん激しくなってきた。イエーツ司法長官代行は、「入国停止」の大統領令に異議を唱え、「合法だと思わない」と執行を拒否。トランプ氏は、「司法省を裏切った」として30日解任した。もともとオバマ氏による司法副長官で、次の長官が決まり次第辞める予定だったのだが......。

   しかし州のレベルでは、ワシントン州の司法長官が、大統領令が憲法に違反するとして無効を訴えて提訴。ニューヨーク州、マサチューセッツ州の司法長官もこれに続いた。憲法判断をする連邦裁判所の前には30日、民主党の議員が続々と集まり、大統領令は憲法違反だと訴えた。

   ここでサンダース上院議員は、「トランプが行ったことは、世界中の過激派に弾薬を与えるだけだ」と叫んでいた。

ロンドン、東京でも抗議行動

   昨日(31日)ロンドンの首相官邸前に集まった群衆は、先の首脳会談でメイ首相が要請した、トランプ大統領の公式訪問を「受けるな」と叫ぶ。東京のアメリカ大使館前には、在日米人が集まって、「入国停止」に抗議の声をあげた。参加者の一人は「トランプのポリシーはいじめだ」と言った。

   しかし当のトランプ氏は「国の安全保障にいい日だった。いつの日にか、やらなければならないことをやったまでだ」と、批判なぞどこ吹く風。事前予告なしがさらに混乱を招いたとする批判には、ツイッターで「事前に通知していたら、その間に悪い奴らが入国していただろう」と書いた。

   民主党が閣僚の承認を渋っていることにも、ツイッターで「いつ司法長官と閣僚を承認するんだ!恥を知れ!」と吠えた。大統領令とツイッターはセットで続くらしい。

   この後の最新のニュースは、大統領は最高裁判事に保守派を指名し、最高裁判事の構成が、保守に傾いたと伝えた。また、国務省の現職職員多数が、大統領令に反対の署名をしたという。

   改めて、大統領令というものについて、前嶋和弘・上智大教授が解説したが、大統領令に対抗できる手は2つ。1つが議会が反対する法律を作ること。もう1つが連邦最高裁での違憲判断だという。また、予算を伴うものに、議会が予算をつけなければ、政策は実行できなくなる。

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   富坂美織「手続きをすっ飛ばしたから現場が混乱している」

   昨日はまた、製薬業界トップとの会談の場で、「日本が長年何をしてきたか見てみろ。通貨安に誘導している」と通貨政策を批判した。10日予定の日米首脳会談に向けての揺さぶりとも。「理解を得たい」なんてのは通用しそうにないぞ、安倍さん。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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