「初乗り 410」とタクシーの窓ガラスに表示がある。東京23区と武蔵野市、三鷹市できのう30日(2017年1月)から新運賃がスタートした。これまでは「730円」だったから大幅な値下げに見えるが、初乗りの距離は2キロから1.052キロと半分近くに短くなっている。
料金改定の狙いは「チョイ乗り需要」だ。ちょっとそこまでというときに、初乗り730円はいかにも高かった。東京のタクシー利用者(多摩地区を除く)は05年の3億5700万人から15年には2億6700万人にまで減り、業界としては「チョイ乗り」は起死回生の策ということだ。
ワンメーター徒歩約10分
では、1.052キロでどれくらいまで行けるか。大竹真レポーターが東京駅八重洲口から有楽町へ向かった。信号待ちでもメーターは上がるので、だいたい有楽町駅前あたりで80円アップになった。実質は約700メートル。徒歩で約10分の距離だった。つまり、東京―有楽町は電車なら140円。タクシーだと3人乗ると1人136円になる。
国土交通省の「タクシー検討会」の座長を務めた山内弘隆・一橋大教授は、「730円で高いと思って利用をためらっていた人たちも、410円なら利用してもらえるのいではないかというのが狙いです」という。高齢者や利用が少なかった若者が狙いだ。「年寄りは近場の方が利用する」と高齢者は花氏、赤ちゃん連れた若いお母さんも「あまり乗らなかったけど、利用しやすくなる」という。
大竹は今度は八重洲口から江東区の江戸東京博物館経由で東京スカイツリーへ向かった。6.6キロで3050円。これはこれまでの運賃より少し高い。旧料金だと2600~2700円だった。旧運賃は初乗りの後は280メートルごとに90円だったが、新運賃は237メートルごとに80円で、損得の境目は6.5キロ。これを超えると旧運賃より高くなる。東京駅から東京ディズニーランドまで15キロだと5130円で170円高く、横浜中華街までの30キロだと9730円でプラス520円だという。
運転手は「歓迎しません」
タクシー運転手はどう見ているのか。初日乗務を終えた7人中5人が「歓迎しない」、2人は「歓迎」「利用客が増える」と答えた。
司会の加藤浩次「どう考えればいいのかなあ」
湯山玲子(著述業)「終電を逃すと6.5キロ以上なので、歩いて帰りますね」
ウェンツ瑛士(タレント)「バスもあるし、自転車もある。どうしようかな」
加藤「タクシーは乗らない?」
ウェンツ「ほとんど乗らないですね。歩くの好きなんで」
加藤「6.5キロは案外いかないよ。客が減る可能性があるんじゃないか」
大竹「2、3か月みないとわからないでしょう。簡単には増えないだろうと見ています」
近藤春菜キャスター「毎日乗ってるけど、これまでチョイ乗りはしずらかった。すいません短くてと言ってたけど、乗りやすくなりますよね」
ロバート・キャンベル(東京大教授)「運転手さんが長々と待ってるのを見たら、(近いと申し訳なくて)歩いちゃう」
大竹「それでも乗ってください。きっかけになると」