「トランプ大統領がメキシコとの国境に壁をつくる大統領令に署名しました」と、司会の夏目三久が速報を伝えた。就任から6日、連発される過激な大統領令に反発や懸念が広がっている。
トランプ氏はツイッターで「さっそくスタッフと壁建設ににとりかかる」と宣言していた。ABCテレビのインタビューには「まずは米国の費用でつくり、後日メキシコに100%返済させる」と答えた。メキシコはもちろん拒否している。さらに、ロイター通信はトランプ大統領が難民や移民の入国禁止を命じる可能性があるとも報じている。
オバマ前大統領の環境政策から180度転換
ワシントンではきのう25日(2017年1月)、アメリカ先住民が集まって太鼓や踊りとともに抗議の声をあげた。これはトランプ大統領が先住民の水源地を通る石油パイプラインの建設推進の大統領令に署名したためだ。トランプ氏は「大仕事になる。2万8000人の雇用につながる」と強調するが、オバマ前大統領の政策を180度転換することに環境面からも批判が止まらない。
期待から株価(NYダウ平均)、史上初の2万ドル突破
トランプ氏はTPP(環太平洋経済連携協定)から「永久に離脱する」大統領令にも署名し、アメリカ第一の保護主義を前面に打ち出す。成長加速への期待から25日のニューヨーク株式市場はダウ平均が史上初の2万ドルを突破した。
しかし、外国からの人や物に制限を加える保護主義政策がアメリカ国内の雇用をうながす一方で物価高を招き、「必ず行きづまる」との見方も強まる。第一生命経済研究所の永濱利廣さんは「いくつかの米国企業やトヨタなどは雇用拡大を約束しているが、保護主義が浸透すると、世界経済が停滞します」と話す。
夏目「トランプさんは公約どおり保護主義を推進するのですかねえ」
竹内薫(サイエンス作家)「マーケットは湧いていますが、短期的には上がっても、長期的には不安定。このことを日本がどこまで説得できるかです」