東京都が豊洲新市場で行った地下水調査の結果が、14日(2017年1月)公表され、波紋を広げている。観測した201地点のうち30カ所で環境基準の最大79倍の有害物質ベンゼンが検出されたのだ。シアンやあってはいけないはずのヒ素も複数地点で検出され、土壌汚染対策を検討する専門家会議も「理解できない」「なぜだろう?」と困惑を隠せない状態だ。「小池知事も重く受け止めると懸念を表明しました」と司会の夏目三久が報告した。
小池知事「想定超える数値に驚き」、移転遅れる可能性も
専門家会議は地上で生鮮食料品を扱っても問題はないとしているが、小池知事は「地上と地下に分けても、生鮮食料品を扱うことに変わりはない」「想定を超える数値に驚いています」と話す。都は再調査することになり、小池知事が今夏にも行うとしていた移転の可否判断が遅れる可能性も出てきた。
築地の卸売業者からは「これは無理だよ、豊洲に行っちゃいけない」「行きたいとか行きたくないとかの問題ではなく、こんな中途半端な状態にいつまで置いておくのか」と、怒りの声があがった。
地下水浄化システムが昨年8月から稼働した影響で地下水の流れが変わったか、前回までの調査結果に不備があった可能性を指摘する専門家もいる。
豊洲をめぐる混迷は、夏の都議選で争点の一つになりそうだ。
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト