1枚の写真――畳の部屋に巨大なシロクマが眠っている。脇には子グマもいる。子供が2人、シロクマに寄りかかって温かそうだ。これ実は、先週(2017年1月第1週)発売になった「一緒に暮らせる」シロクマの実物大アート作品だ。お値段は驚くなかれ、1,340万円(税抜き)。まさに「エーッ」である。
とにかく大きい。寝そべって身長2.8メートル、高さも1.4メートルある。こんもり小山のようだ。毛質、爪、肉球から鼻まで実物そのまま。唇をめくると、歯茎から巨大な牙までがきっちりと再現されている。毛は一本一本植毛したというのだから気が遠くなる。しかも子グマまでいる。
作ったのは、映画製作や特殊造形を手がけるクリエーター、岡部淳也さん。「海外で、ショーウインドウにシロクマが飾ってあったのを見て、作ろうと思った」という。剥製ではなくて、作り上げようと。
土台から作り始め、6人がかりで3カ月かかったという。それはいいとして、このお値段で買う人はいるんだろうか。1,340万円は親子セットの値段だが、それがいた、という。「3人、親子セットで」。またまた「エーッ」である。
その1人、大分の人を訪ねた。春日光一さん(42)、エステ経営者だ。「動物が好きなんで、結局ペット感覚ですね」という。子供は4人いるが、どうも本人が好きなようだ。「気持ちが入っている」という。岡部さんとは知り合いだったので、見せてもらって一目惚れというわけだった。
それはいいが、10畳ほどの和室の半分近くを占めている。知人に見せてびっくりさせるのが楽しみ。皆値段を言う。「20万円ぐらい」「1,340万円」「エーッ」の繰り返し。実は奥さんにも伝えてなかった。「スッキリ」が聞くと、「絶対100万はしてる」「1,340万円です」「え~......」
そしてとうとう、シロクマがスタジオにやってきた。カバーを外すと、「うわ~」「でっかい」。加藤浩次が「でっかい。触っていいですか」と手を伸ばした。「あ、硬い」「背骨がある」。毛は植毛しているが、土台はしっかり作ってあるという。
近藤春菜が鼻のあたりを指していると、製作者が、「口の中も見てください」と唇をめくって見せた。これは驚きだ。巨大な牙は、入れ歯に使う素材だという。加藤が手を突っ込んでる。本物だったら見ることができない部分だ。「この距離にいることができない」「お母さんかな」「子連れだからね」
加藤「保証期間は?」(笑い)
製作者「期間はないですが、美術品なので、何かあれば対応します」
加藤「コーヒーこぼしちゃったとか」(大笑い)
今後は? ワニとかパンダとかも考えていると。
加藤「カバができたら買うかな」(笑)
たとえ数が売れても、安くなることはないそうだ。