講談社編集者の逮捕にかたず飲む出版界! OBだから分かる講談社とマンガ業界の実相

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『進撃の巨人』に深くかかわったのは事実

   モーニングは編集長名で「読者の皆さまへ」という詫び文を出した。その中に一部メディアに「『進撃の巨人』の立ち上げ担当」とあるが、これは事実ではないとし、「本人が『進撃の巨人』を担当したことはなく、正確には『掲載誌の創刊スタッフ』であったことをお知らせいたします」といっている。

   編集長が担当する場合もあるが、担当者をつけるのが普通である。といって、ほぼ全権を握っている編集長が企画段階から関わり、GOサインを出さない限り作品が掲載されることはない。

   編集部も講談社も、大ドル箱のマンガにケチがつくのを恐れ、「進撃の巨人の担当者が殺人」という負のイメージを消したいのだろうが、朴容疑者がこの作品に深く関わっていたことは間違いないはずだから、姑息なことはやめたほうがいいと思う。

   小説でもノンフィクションでもマンガでも、優れた作品にはいい編集者の手が必ず入っている。

   優秀な編集者を失ったのは、講談社にとって大きな損失であろうが、優れた作品を待ち望んでいる読者たちにとっても、取り返しのつかない損失であるにちがいない。

   昨年は41年ぶりに書籍の売上が雑誌を抜いた。だが、講談社をはじめ小学館や集英社は、今でもマンガの売上が屋台骨を支えている。

   そのマンガにもやや翳りが見えてきたところにこうした事件が起き、さらに売上が落ちることにでもなれば、大手といえども安泰ではないはずだ。

   この事件の行方を、出版社の人間たちは固唾を呑んで見守っている。

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