「高齢者」の定義を現在の65歳から70歳に引き上げたらどうか。少子化対策でこんな話が政府・自民党の中で浮上しているという。番組が、その賛否について視聴者や街の意見を聞いたところ、賛成が多かった。さて現実は...
「高齢者」の定義を街で同世代に聞いたところ、「75歳、元気な方がいっぱいいらっしゃる」(70代女性)、「90歳」(70代男性)という答えが返ってきた。また番組の視聴者に70歳以上へ引き上げの賛否を求めたところ賛成が58%、反対が42%だった。
もともと70歳引き上げの提案をしているのは内閣府や自民党で、小泉進次郎衆院議員も「2020年以降の経済財政構想委員会」の場でこんな提言をした。「まず今の国の形を規定している枠を取っ払ってみようと、そこから生まれたのが65歳を高齢者なんてもうやめよう...」
背景に少子高齢化の問題がある。15歳~64歳の生産年齢人口が15年7708万人に対し30年6773万人(推計値)に減少。不足する働き手を増やしたいための提言だ。
定年制などさまざまな制度へ波及する問題
しかし「高齢者」の定義を65歳から70歳に引き上げることによって、定年制や年金の支給開始年齢、医療費負担へ波及する。なかでも企業が70歳まで定年を延長し雇用が可能かどうか。スタジオのコメンテーターの意見はどうか。ジャーナリストの青木理と菅野朋子弁護士が反対した意見は...。
青木「年金や定年制の問題をどうするか。さらに働けない人が白い目で見られるのではないか。そもそも国家がこんなことを決めることに違和感がある」。
菅野「線引きで70歳以上でないともうダメというのではちょっと違うかなと思う。医療費も後期高齢者がもっと引き上げられるなど連動的になってしまうと負担が大きくなる。その辺がはっきりしないのでこの時点では(反対)という感じがする」