「中国で社会問題になっている食品汚染、その食品汚染による死者が昨年(2015年)1年間で約1万人に上ることが明らかになりました」と司会の夏目三久が伝える。中国当局は摘発を強化しているが、今度は有名なレストランで下水から汲み取った油を食用油として再利用していたことが発覚した。
下水油とは、食べ残しや廃棄された油を汲み取り、ろ過、加熱し食用油として使うもの。中国の人気グルメ番組にも取りあげられた有名な火鍋店8店舗が下水油を提供したとして、先月28日(2016年11月)に関係者24人が拘束された。
40年前の冷凍肉、ネズミの肉も出回る
下水油には大量の細菌や発がん性物質が含まれているといわれているが、中国国内で下水油を使う業者が後を絶たず、年間200万~300万トンもの量が食卓に上がっているという。
中国メディアによると、下水油をつくる専門のヤミ製造工場も存在しているという。先日、そのヤミ工場を直撃した。廃棄物を運ぶ車を追跡すると、木立の中の小さな小屋だった。中には数人の男たちが大きな鍋をかき混ぜていた。1人の男に聞くと「廃棄物を運んで少し加工する。大体1日もかからない。下水油を製造しているが、食用には販売していない。ペンキやディーゼル燃料をつくっている」というが、警察はホテルやレストラン、一般家庭にも食用として販売された可能性があると見て調べている。
中国の食品汚染、予想もしないようなことが出てくる。番組の冒頭では、毛沢東時代の40年前から冷凍されていた肉が市場に出回っていたことや、水を注入した水増し豚肉や羊肉と販売されていた肉がキツネやネズミの肉だったりしたことなどを紹介した。
「中国の食の安全が守られる日は来るのでしょうか」というナレーションで終わったが、ほかにいいようがないということだろう。