覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されていた歌手のASKA(58)がきのう19日(2016年12月)、嫌疑不十分で不起訴処分になり釈放された。提出した尿は尿ではなくお茶だったという。
午後7時すぎ、東京・湾岸署から釈放されたASKAは、報道陣の質問にも軽く会釈しただけで答えず、そのまま都内のホテルに入った。その後、ブログに「不起訴でした」「無罪です」「また書かせていただきます」「すべての行動には理由があります」「皆さん、信じてくれてありがとう」などと書いた。
出るはずない最初の陽性反応
ASKAが逮捕されたのは先月28日。その前の25日に110番して、「盗撮、盗聴されている」などと訴えた。ASKAは訪れた警察官の求めに応じて任意に尿を提出。警視庁科学捜査研究所の鑑定で覚せい剤の陽性反応があったことから、逮捕された。ただ、家宅捜索で覚せい剤も吸引器具などは見つかっていない。
ASKAは逮捕前から「陽性はありません」とブログで否定していた。警察によると、取り調べに対しても「あらかじめ用意したお茶を尿の代わりに採尿カップに入れた」と供述した。また、「前回逮捕以来、薬は見ていない。絶対やっていない」と否定し、陽性反応にも「事実に反する」と話したという。
嫌疑が固まらなかったということは、その後の採尿で覚せい剤反応は出なかったということ。東京地検はきのう「(最初の採尿を)被疑者の尿と立証するのが困難」とした。採尿は自宅のトイレで行われ、警察官とASKAの妻が立ち会っていたが、背後から見ていたらしい。
本来、覚せい剤容疑の採尿は直接尿を放出するところを横、あるいは前から確認するという。その限りでは手落ちがあったということだが、それでも、お茶を入れることが可能だろうか。
わざわざお茶用意して提出したナゾ
司会の加藤浩次「嫌疑不十分ということですね」
ロバート・キャンベル(東京大教授)「わからないのは、お茶を入れたということ。ま、意図は問わないとして、尿から陽性反応が出た。それが本人の尿と立証できないというのですが、誰の尿なのでしょう。取り違えなのか」
菊地幸夫(弁護士)「それが一番の謎です。本当にお茶なら、科捜研からは『尿ではなくお茶です』となるはず。それが陽性ということは尿だったわけです。覚せい剤も含まれていた。でも、本人特定ができなかったというわけなんですね」
湯山玲子(著述家)「なんでお茶とすり替えたのかなあ」
そもそも、ASKAの「盗聴、盗撮」の訴えを警察が不審に思って採尿を促したのは当然だが、21日もの間、何をしていたのか。