7年前、島根・浜田市の女子大生が殺害され切断遺体で見つかった事件で、島根県警は当時30代で事件後に交通事故で死亡した男をあす20日(2016年)、容疑者死亡の殺人容疑で書類送検する。男は性犯罪歴の洗い直しから浮かんだ。
被害者の島根県立大1年生、平岡都さん(当時19)は2009年10月26日午後9時すぎ、ショッピングセンターでのアルバイトを終え1.5キロ離れた学生寮へ向かったまま行方が分からなくなった。10日後に浜田市から約25キロ離れた広島県内の臥龍山で、切断された遺体で見つかった。胸が切り取られるなど、激しく傷つけられていた。
切断遺体発見直後に母親と高速道路で激突炎上
これまでに投入された捜査員は延べ31万人。聞き込み、空き家捜査は約8100軒に及んでいた。あらためて性犯罪を洗い直す中で、当時30代だった男が浮かんだ。男は平岡さんが暮らしていた浜田市の隣の益田市に住んでいたことがあり、警察が男の関係先を捜索したところ、平岡さんの画像データが見つかった。行方不明になった後の撮影で、背景が男の自宅であることを確認したという。
しかし、男は平岡さんの遺体が見つかった2日後に山口・美祢市の中国自動車道で車がガードレールに突っ込んで車は炎上、同乗の母親とともに死んでいた。山口・下関に住んでいて、父親の墓参りに母親と出かけた帰りだった。
男は九州大学を卒業後、ソーラーパネルの営業マンをしていて、警察沙汰などの話もなかったという。「端正な顔立ち、歌舞伎俳優みたいな」という人もいた。周囲に「大変なことをした」と話していたという。
初動捜査にミスあった?性犯罪わかっていたはず
司会の加藤浩次「(7年もかかったのは)現場が島根で、男が山口在住で、ここに難しさがあったのでしょうか」
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「広域の問題もあるでしょうが、元が性犯罪的な事件なのに、その洗い出しになぜこんなに時間がかかったのかが不思議です。真面目にやっているのだろうが、やり方にミスがあったのではないでしょうか」