今月(2016年12月)、100年の歴史を持つというJR北海道の留萌線で一部の区間が廃止になった。先月、JR北海道は衝撃的な発表をした。路線全体の半分に及ぶ1200キロの路線がJR単独では維持困難で、自治体の費用負担などがないと路線廃止もありうるというのだ。
「北海道は、人口減少、札幌一極集中が全国に先んじて進んでいる。必要な路線は私たちも残していきたいが、民間会社である当社が単独ですべての費用を担うのは限界に来ている」(JR北海道社長)
「鉄道の廃止はほとんどが民間鉄道や第三セクターだったが、今回はJR線の廃止が出てきている。JRは全国にあるので、全国的に廃止がすごく多くなることが懸念される」(全国の鉄道事情に詳しい加藤博和・名古屋大学大学院准教授)
維持困難とされるのは全国の3分の1の路線
JR北海道が維持困難の基準にしたのは、1日の平均利用数が2000人未満という数字だ。NHKが調べたところ、全国の鉄道路線では3分の1が該当するという。「山陰や東北にきびしい路線があり、大阪圏や首都圏といった採算のいい路線の収益で維持していることになる」(加藤)
しかし頼みの綱の首都圏でも、今後は急激な人口減少が見込まれており、「首都圏でも利用が減り、どんどん赤字が増えれば、どんどん厳しい路線が増えていく」(加藤)。
JR北海道の日高線では、路線を維持するために、JRが新ひだか町など7つの自治体に年間13億4000万円の負担を求めている。