日仏の技術協力にも懸念、求められる多額の資金
新しい開発はうまくいくのか。吉田デスクはフランスの実証炉「アストリッド」開発で日仏が協力に合意したことを伝える。「しかし、取材すると、懸念が見えてきました」と指摘する。
三菱重工の子会社三菱FBRシステムズは国内唯一の高速炉設計の専門会社だが、日仏協力は免震装置や冷却技術など一部に限られ、重要部分に加われるかはまだわからない。
巨額の費用負担も求められる。6月に非公式に示されたフランス側の考え方では数十億ユーロ(数千億円)かかり、分担は半々という。フランスの原子力産業はいま「前代未聞の危機的状況」(フランスのシンクタンク代表)にあるため、そのぶん日本から多くの資金を引き出そうとする恐れがある。
「費用負担がどうなるのか。出資に見合う知見が得られるのか、政府は説明する必要があります」と、吉田デスクは指摘する。
伊東キャスター「来週には示されるという政府方針で納得のいく説明がされるのか、しっかり見ていきたい」
もちろんそうだが、新たな開発の進め方より前に原発自体をやめるべきかどうかという根本問題を忘れてはならない。開発の議論が原発の是非をケムに巻くようなことはないだろうな。そこもきちんと見きわめないといけない。